2020-01-01から1年間の記事一覧
いやもう、笑った笑った! 前作も大笑いだったが、それ以上じゃないか。金持ちのカトリック一家、その娘4人もまた医師だったり弁護士だったりと都会で何不自由なく暮らしている。そんな四人娘が結婚するといって両親に紹介した相手があろうことか、ユダヤ人…
8月に見た映画だが、相当に疲れていたのか、映画が始まる前の予告編で既に寝てしまっていたため、巻頭を見ていない(!) 事前知識をほぼ容れずに見に行ったため、時代が戦前なのか戦後なのかもしばらくわからなかった。ようやく1930年代のことらしいとわか…
全体的に落ち着いた演出といい、ところどころで緊迫感を高めるメリハリの付け方といい、心に残るラストシーンといい、近年まれにみる優れた西部劇だ。スコット・クーパーは製作・監督・脚本を兼ねているから、相当に思い入れがあるのだろう。 ただし、邦題が…
2018年にNHKが放送して反響の大きかったドキュメンタリーに、その後1年近い取材を加えて映画用に再編集した作品。 京都市街にほど近い山の中で猪や鹿を罠で捕獲してさばき、家族の食糧としている千松信也(せんまつ・しんや)さんを追った記録だ。千松…
大林宜彦監督の遺作。本作の公開予定日だった4月10日に監督は亡くなってしまい、コロナ禍のせいで公開も延びた。ようやく公開されたのでいそいそと見に行ったのだが、実は事前情報をほとんど仕入れていなかったため、予想と全然違う作品なので驚いた。ファン…
あまり期待せずに見始めたら途中で寝落ちすることもなく最後までついつい見てしまったおかげで寝不足になった。オリジナル脚本がずいぶん減ってしまった昨今の日本映画では珍しく、オリジナル作なのがいい。脚本はオリジナルだが、元ネタとなった事実がある…
面白過ぎる! 前半はコメディ、後半はアクション。後半のアクションがちょっと長すぎて途中で疲れてきたが、それでも最後までぐいぐい引っ張る面白さは落ちない。韓国映画のすごさを知ったよ、ほんま。こんなあほらしい映画を面白く見せてしまう手腕に脱帽で…
とても気持ちの良いドキュメンタリーだ。その気持ちの良さの源泉は、カメラを回している監督が被写体であるムツばあさんのことが好きでたまらないという、その溢れる愛情にある。 一人のおばあさんがひたすら山の斜面に花を植えていく。そんな様子を18年にわ…
この映画については、iPadにダウンロードして通勤電車内で小刻みに観たりしたから、最初のうちは何の話なのかよくわからなかった。そのうえ、寝る前にベッドに持ち込む習慣がすっかりついてしまったわたしのiPad、これまた子守唄代わりに見ていたのでやっぱ…
191分のディレクターズカット版が公開されるという予告編を劇場で見たときにものすごく興奮して、絶対に見に行きたいと思っていたのにあっという間に終了してしまったので、DVDを借りて113分版を見た。もうこれで十分じゃないかな。何しろやたらスローモーシ…
明日(7月17日)から公開される「パブリック 図書館の奇跡」に先立つトークイベントに出演しました。 途中でカメラが落ちるという「放送事故」を起こすなど、ハプニングもありましたがなんとか無事に楽しく話を終えました。いずれも図書館のエキスパートたち…
1914年夏に第一次世界大戦が始まったとき、クリスマスまでに終わると言われていたのに、実際には史上初の総力戦へと広がり、塹壕戦となった前線は膠着状態が続いていた。開戦から3年が経とうとしていた1917年4月、この映画の主人公である若きイギ…
ガーデアン紙発祥のきっかけとなったセント・ピーター広場での大集会(1819年8月16日)へ向けた運動とそれへの弾圧の一部始終を描く。後に「ピータールーの虐殺」と呼ばれることになった、市民への官憲の非道の弾圧を再現するクライマックスシーンに圧倒され…
もうなんにも考えたくない! 難しい話はいや! 面倒くさいことも嫌! 細かいことはどうでもいい! そういう人にはぴったりの愉快痛快スパイアクション。いや~~、面白かった! つじつまの合わないツッコミどころ満載のストーリーと、やりたい放題殺したい放…
数年ぶりに見直してみて、またまた感動した。 これは公務員バッシングや新自由主義、官民連携などの現在に続く問題の出発点を描いている優れた作品だ。 全体としてはコメディの要素が強いのだが、織田裕二が生真面目な公務員を演じてその強面(こわもて)の…
失政のツケは常に市井の人々に回る。大きな歴史の物語はひとつの家族の不幸として紡がれていく。 一人っ子政策への批判を込めた、30年に及ぶ家族の記録は中国現代史そのままをなぞる。とはいえ、そのまますんなりと時間の経過をたどるわけではなく、映画は現…
いかにもアムール(愛)の国フランスらしいコメディ映画。 結婚して20年経った夫婦、今やもう恋愛対象ではなくなってしまった夫に内緒でちょっとした浮気ぐらい、ありえるでしょ! というお気楽なヒロインは司法史を教える大学教員マリア。このインテリ女性…
山形県酒田市に属する飛島は、日本海に浮かぶ離島である。人口は140人、平均年齢70歳。本作は島びとの暮らしを1年間撮影したドキュメンタリー。 この映画には主人公がいない。様々な島民の群像が淡々と描かれていく。 一人暮らしのお婆さんが夫や息子…
いかにも女性監督が作った作品である。歴史に埋もれた才能ある女性を描き、彼女の美徳を踏みにじったオヤジ的存在の不遜なル・コルビュジエを批判する。 確かに、女性でありながら1920年代一流のインテリアデザイナーとして認められていたアイリーン・グレイ…
ベルギーが一国2言語制度を敷いている国だという基本事項を押さえていればとても楽しめる。 ミュージカルだけれど、役者たちの歌はたいして上手くない。ダンスもほとんどない。どちらかというと素人芸の中途半端なミュージカルなので、音楽性を求める人には…
今だけ無料なので見たこの作品は、かのルイス・マイルストン監督の名作のリメイクである。これがテレビドラマとは思えないほどの戦闘シーンの迫力には瞠目した。カラーになっている分も豪華な感じがする。 名作と言いながら、1930年の作品についてはもう内容…
勝手にシリーズ「おうちで映画を見ようシリーズ」、4作目。 本作の世評はそれほど高くないらしいが、今見ると非常にリアルで恐ろしい。演出の甘さが指摘されることもあるが、それとても悲劇を強調するためにはこのぐらいでいいと思える。 2008年製作の本作の…
武侠アクションというジャンル映画だが、全然アクション映画らしくない。「動く美術館」と呼ぶべき、静かで美しい映画だ。 唐の時代の辺境の地にあって権力争いを繰り広げる親戚同士の殺し合いというストーリーなのだが、その内容はほぼ理解不可能だ。幼いこ…
一年半前に訪れたパリの懐かしい風景が次々に登場する。本物よりも写真よりも美しいアニメ。どうやって描いたのか? あまりにも美しいので、画面を止めて何度でも巻き戻して見たくなるくらいだ。 物語の舞台はベル・エポックと言われた時代のパリ。超有名人…
「Uボート」を見たときの感動にも似た、傑作反戦映画である。戦争映画に何を求めるかによって評価が分かれる作品でもある。戦車アクションを見たければ「ヒューリー」をお薦めする。この「レバノン」には爆撃でスカッとするような場面もなければ、アクション…
映画の上映方法が前代未聞。新型コロナウイルスによって危機を迎えている「映画の経済」を回復させるための試みとして、劇場公開と並行して、インターネット上に「仮設の映画館」をつくり、観客はどの映画館で作品を鑑賞するのかを選ぶことができるようにす…
製作費が鰻上りになっているこのシリーズ、この第三作に至っては、どんだけ金をつぎ込んでるねん!というぐらいに金かかっていることがあからさまな出来具合となっております。 で、どこに金を使っているか! その1.海外ロケ。今回、モロッコはカサブラン…
ある家族の危機を静かに、そして緊迫感に満ちた演出で描く。ポール・ダノの第1回監督作ということで注目を浴びている。確かに初監督作とは思えない出来の良さだ。主人公は14歳の少年ジョー。1960年のカナダ国境に近いモンタナ州の田舎町が舞台だ。ジョーの目…
前から気になっていた作品を、今だけ無料だからWOWOWシネフィルで鑑賞。これは面白い! 一味も二味もひねられたアクションもの。次々と人が死ぬ血まみれアクションなんだけど、ジェフリー・ディーン・モーガンの愁いのある瞳にノックダウン(都市封鎖ではあ…
勝手にシリーズ化しました、おうちで映画を見ようシリーズ、第2作。 時節柄、こういう映画を見てみました。 公開当時、ずいぶんヒットしたような気がする。確か、深夜放送で浜村淳さんがすごい盛り上げ方で紹介していたような。で、たぶんこれまでもテレビ放…