吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

エージェント・マロリー

なんといっても豪華な出演者の顔ぶれを見よ! 主役がほぼ無名の女優だけに、脇がこれだけ派手だと客も呼べます。女子総合格闘技のチャンピオン、ジーナ・カラーノがヒロインで、彼女は強いだけではなく美しい容姿でなかなかに魅せます。アクションはもちろん…

技術者たち

やくざの上手を行く金庫破りの詐欺集団の愉快痛快な犯罪サスペンス! ちょっと「オーシャンズ11」みたいな感じもあるけれど、主役に華がないのが難点。むしろ、やくざ社長の手下の冷酷なヒットマン役を演じたイム・ジュファンがとってもイケメンでかっこよく…

ブレードランナー 2049

レプリカントとして差別される者の悲哀が全編を覆う。ラストシーンの切なさは特筆もの。心に残るSFアクション映画がまた一つ誕生した。 前作では2019年のロサンジェルスは退廃した街だった。今作2049年ではもう退廃を通り越えて荒廃しきっている。そこに暮ら…

キング・アーサー

有名な「アーサー王と円卓の騎士」の伝説もガイ・リッチーにかかるとこんなにスタイリッシュでスピーディな面白い映画になるのね。これは驚きです。展開が速すぎてついていけない点もあるけれど、豪華な役者陣といい、一見の価値あり。なんといってもわれら…

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明

これはすごい。誰でも騙されます。 密室殺人の犯人として起訴された若き実業家ドリアは、圧倒的に不利な状況から奇跡のように無罪を勝ち取れるという常勝弁護士を雇うことになった。彼女の名はグッドマン。ベテランのグッドマンはあと3時間で証人尋問が始ま…

50年後のボクたちは

14歳のひと夏の暴走物語。男子二人のバディ・ロードムービーは愉快痛快。ファティ・アキン監督の作品はこれまでも佳作が多かったが、本作もひと際印象に残る作品となった。「愛より強く」「ソウル・キッチン」よりも本作が気に入った。 運転免許なんてもちろ…

パッセンジャー

宇宙空間の映像が素晴らしく美しいので、これを大画面で見ていたら、さぞやため息をついただろうと思うのが残念。 5000人のパッセンジャー(乗客)と乗務員を乗せた移民船は、120年をかけて移民星を目指し旅の途中にある。乗客乗員は120年間冬眠状態で過ごし…

アトミック・ブロンド

動物の中で、人だけが時間の概念を持つという。それはすなわち未来(死)を予測し、過去を振り返り、記憶と忘却とを繰り返す存在ということだ。 本作の舞台は一九八九年のベルリン。まさにベルリンの壁が崩壊するというその時に、東西国境を行きかうスパイが…

オン・ザ・ミルキー・ロード

巻頭いきなりの動物たちの喧騒は、「ああ、やっぱりクストリッツァ!」と思わせる。どこかわからないが山間の村で、豚が屠殺され、豚の血のバスタブにガチョウが飛び込み、血まみれガチョウにハエがたかり、、、と、あっという間に観客を映画の世界に驚きと…

エル ELLE

ちょっと期待値が高すぎた。 衝撃の問題作との触れ込みが強すぎたのだ。確かにかなりえぐい話ではあるが、衝撃というよりは、ヒロインの不可解な行動が最後までわたしには理解不能で、こんな女っているのかなぁとキツネにつままれたような気分だった。いや、…

マリアンヌ

第2次世界大戦中、工作員として出会った二人が偽の夫婦役を演じて、いつの間にか本当に愛し合うようになる。だが、妻が二重スパイではないのかという疑惑が沸き上がり……。 正統派娯楽作と言うべきか、アクションありロマンスあり戦争の理不尽あり、という作…