吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。

最高の花婿 アンコール

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 いやもう、笑った笑った! 前作も大笑いだったが、それ以上じゃないか。金持ちのカトリック一家、その娘4人もまた医師だったり弁護士だったりと都会で何不自由なく暮らしている。そんな四人娘が結婚するといって両親に紹介した相手があろうことか、ユダヤ人、ムスリム、中国人、ブラックアフリカンだった、というのが前作。で、それから4年。孫もできて幸せいっぱいの両親だったが、娘の婿たちの出身国へ旅行してきてそれぞれのお国柄について毒づいてばかりいる。

 相変わらず排外主義的根性には変化のない夫婦である。フランス第一!

 だが異民族異教徒の婿4人は異様に仲がいい。その仲のいい婿たちがなにやら相談してるではないか。なんと、フランスを見捨ててそれぞれに海外移住しようとしていることが発覚したからさあ大変。孫に会えなくなる! と大騒ぎになった両親はあらんかぎりの財産を使い果たす勢いで娘4家族の移住を止めるための大芝居を打つ。

 これが半端なくすごい大掛かりなものなので笑うしかない。しかも当の婿たちにばれてるし。異文化をバカにするネタとしてはブラックジョークそのものだけれど、こういうのをやりすぎるからシャルリ・エブド事件みたいなのが起きたのかと思うと複雑な気持ちになる。この脚本は差別発言ぎりぎりの線を狙っていて、異文化をディスるだけじゃなくて、フランス自身にその刃が向いてくるところもよい。

 それにしても四姉妹が相変わらず美しい。しかも四人が全然似ていない! さらにはコートジボワールの頑固親父こと四女の義父たちがフランスにやってくるから大騒ぎ。これだけ異文化ネタが続けばもうネタ切れだろうと思っていたら、次は同性愛ネタで攻めてきました。保守的クリスチャンである点では四姉妹の父もコートジボワールの義父も同じなんだな、これが。娘の同性婚に卒倒する父が笑いものにされてしまうのが今回のお話。

 ところで今回の見どころはフランス・ロワール地方の風景。お城だらけのこの地方の観光めぐりが最高によかった。次にフランスに行くときはここに行きたい!

 ラストの落とし方にはちょっと納得できないんだけど、こういう風におわらせないと、続編がさらに作れないわなぁ。(レンタルDVD)

2018
QU'EST-CE QU'ON A ENCORE FAIT AU BON DIEU?
フランス Color 98分
監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
製作:ロマン・ロイトマン
脚本:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン、ギィ・ローラン
撮影:ステファーヌ・ルパルク
音楽:マルク・シュアラン
出演:クリスチャン・クラヴィエ、シャンタル・ロビー、アリ・アビタン、メディ・サドゥン、フレデリック・チョー