吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

オマールの壁

重い話ばかりが続くのはつらいが、心に深い澱を残し、どんよりと曇ったままの衝撃的な作品だった。ハニ・アブ・アサド監督は「パラダイス・ナウ」でもパラダイスという皮肉な命名によってパレスチナの悲劇を描いた。同じく本作でもパレスチナ解放のために闘…

夜空はいつでも最高密度の青色だ

原作が詩集というのは驚きだ。詩を映画にするなんてチャレンジングな試みにまずは敬意を表したい。原作と言いながらその詩集にはストーリーがないのだから、主人公たちは登場しない。詩にインスパイアされた、まったく新しいストーリーを石井裕也(監督・脚…

素晴らしきかな、人生

これは一つの奇跡物語。クリスマスシーズンなどにぴったりなお話なのだが、季節は関係なかったみたい。ストーリーのこじつけぶりが気に入らない人には白けた映画になるだろうが、素直に物語に入っていけるファンタジー好きな人には大きな感動がもたらされる…

ジャングルブック

なんと、全編CGで描かれたアニメだと思い込んでいて最後まで疑わず、すっかり騙されたけれど、実は実写とCGの合成だったとは。もう映画は実写とかアニメとかCGとかの領域を超えてしまった。それほど動物たちの描写はリアルで、自然描写の撮影が美しく、もう…

はじまりへの旅

エコロジカル左翼一家の爆笑生活ぶりを本気なのか皮肉なのか、ものすごくまじめに面白く描いた作品。最初のうち、これはもうコメディに違いないと思い込んでいたんだけれど、案外本気なのかもしれないと思い始め、最後のまとめ方にはなかなかの清々しさを感…