2002-01-01から1年間の記事一覧
この映画をフェミニズムの視点から批判するのはたやすい。マルクス主義の視点から批判するのはもっと容易い。時代遅れだとか、わざとらしいとか、いくらでも悪口は言える。 でも言いたくない。 なぜなら、どこでロケをしたのだろうと訝るぐらいの美しい風景…
「メメント」の監督だからと期待が大きすぎた。おどろどろしい予告編に踊らされた。じわじわと押し寄せる恐怖に震え上がるサイコ・サスペンスだと思ったのが間違いだった。「6日間眠れないほどのあまりにも異常な事件」ってキャッチ・コピーは大嘘。「セブン…
今年の夏休みは、8月29日に一泊二日で鳴門へ行っただけだった。夫が二週間の海外研修へ出かけたため、長期の休みがとれず、家族旅行は近場へ一泊だけという貧相なものになってしまった。それでも大塚国際美術館へ行ったので、満足。わたしの周辺でいたって評…
銀行強盗を企んで、銀行へ通じる穴掘りを思いついた間抜けな泥棒レイ(ウディ・アレン)だったが、カムフラージュのために妻のフレンチーが開いたクッキー屋が大はやり。おかげで銀行強盗するより金持ちになってしまい……というドタバタコメディ。いかにもウ…
物語は歯がゆいほどに淡々と展開する。静かな映像、美しくうら寂しい冬の情景は、水墨画のよう。ハリウッド的な盛り上げ方もなく、アメリカ映画らしいジョークもない。わび・さびの世界を映画にしたような作品は、日本人になら受けそうだ。 時は1954年、ワシ…
公開当時、ジャック・ニコスソンとジェシカ・ラングの台所でのセックスシーンが話題になった作品。しかしこの場面の演出には大いなる疑義が残る。18歳未満の方が読んでいるかもしれないので詳細は省くが、あれはちょっと、リアリティがなさ過ぎる。特に、ジ…
この映画を「いい映画だ」と言うことはできない。いい映画とは、どんなに暗く悲惨な内容でも、後に必ずなにがしかの希望を残していたり、あるいは、まったく絶望の淵に追いやられても、そのカタルシスに感情の解放を味わうことができるものだ。ところが本作…