吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

人生は狂詩曲(ラプソディ)

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 ベルギーが一国2言語制度を敷いている国だという基本事項を押さえていればとても楽しめる。
 ミュージカルだけれど、役者たちの歌はたいして上手くない。ダンスもほとんどない。どちらかというと素人芸の中途半端なミュージカルなので、音楽性を求める人にはつまらない映画ということになってしまうだろう。
 ただし、バンドの演奏はレベルが高く、主人公のトランぺッターの技術力は素晴らしい。本人が吹いているのか? たぶん代役がいるのだろう。でも本人が吹いているかのように上手く演奏しているからやっぱり役者はえらい。
 さて、ストーリーは。ヨーロッパ選手権への出場権をかけて決勝でぶつかった二つのバンドは、一方がフランス語圏のワロン出身で、もう一方がオランダ語圏のフランドル地方出身だった。全力で演奏した結果、両バンドは同点で両者とも欧州大会に出場することとなった。しかしその全力のあまり、ソリストのトランぺッターが演奏直後に急死するというとんでもない事態になったフランドルのバンドは、起死回生をかけてライバルのバンドからトランぺッターを引き抜いてしまう。こうなると事態はややこしくなり、そこに恋愛もからんでドタバタコメディが展開する。
 出演者がフランス語とオランダ語と、時々英語も混ぜてしゃべるからややこしい。ベルギー人どうしでも言葉が通じないみたいで、意思疎通ができない分、いっそう話が混線する。まあ、日本でも東北弁とウチナーグチでは通じないわな。
 この映画は分離よりも統合を説く。だから最後はワロン人とフランドル人のカップルが誕生する、という結末になる。やっぱり愛ですよ、愛。対立を溶かすものは愛の力。これしかないねぇ。(レンタルDVD) 
2014
BRABANCONNE
ベルギー / ルクセンブルク  Color  99分 
 
監督:ヴィンセント・バル
製作:
ペーター・ブカート
脚本:
ピエール・デ・クレルク
撮影:
ダニー・エルセン
音楽:
ティーヴ・ウィラード
出演:
マリリス・アイテルリンデン、アルチュール・デュポン、ヨス・ヴェアビスト、トム・オーデナールト、ダーヴィット・カンテンス