吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

タイトルはどう訳すべきなのだろう? 「死ぬべき時じゃない」なのか、「死んでる暇はない」なのか? どっちにしても、ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドとはこれでお別れなのだ。壮絶な最期であった。これでシリーズそのものが終わるのだろうか…

クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代

Amazonプラムビデオではなぜか吹き替え版しか見られなかったので、日本語吹き替えで。しかしこれは意外な効果があった。ナレーションをラジオのように聞きながらほかの仕事の合間に「ながら見」が可能だったから。まあこういう見方は邪道だけどね。 で、ここ…

空白

これは「由宇子の天秤」と双璧をなす作品だ。わたしは「空白」のほうが好き。ラストに少しでも希望があるから。 <以下、あらすじをかなり書いていますので、鑑賞前に読むかたはご承知のうえでお願いします。完全ネタバレの注意は末尾に書いています> 海辺…

MINAMATA―ミナマタ―

1977年だったか78年だったか。京都で水俣写真展が開かれていた会場の、1枚の写真の前に釘付けになり、わたしは静かに涙を流していた。そのときわたしはおそらく怒りに震えて涙を流していたのだろう。入浴する智子さんと、彼女を抱いたまま一緒に湯船につかる…

望み

高校生の息子が行方不明になった。と同時に、息子の周辺で殺人事件が起きる。息子は事件の加害者として逃亡しているのか、それとも被害者として殺されたのか。事件の様相がはっきりするまでの数日間、両親の心は揺れる。たとえ殺人犯でも生きていてほしいと…

由宇子の天秤

天秤座は正義と天文の女神アストライアーが正義を測る天秤をかたどっているそうだ。この映画の主人公、ドキュメンタリーディレクターの木下由宇子の天秤もまた正義を測っているのだろうか。 3年前に自殺した女子高校生の事件の真相を描くドキュメンタリーを…