吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

素敵な論文「時への捧げもの」

「めぐりあう時間たち」については前にも少し書いたけれど、今般、雑誌『Becoming』14号に掲載された西山けい子さんの論文を読んで、映画の感動が甦ってきた。 映画に登場する3人の女性たちに共通するモチーフは、ヴァージニア・ウルフのいう「存在の瞬間」…

笑いながら読書中

今、二冊の本を同時に読んでいて、どちらもおもしろ可笑しいもんだから、ゲラゲラ笑ったりクスクスにやりと笑って楽しんでいる。 一冊は文庫本。『文章教室』という名の小説だ。これは葉っぱ64さんお奨めの小説で、興味をそそられて読み始めたところ、やはり…

「マルクスと息子たち 」

あれ、デリダにしてはえらく読みやすいじゃないの。なんておもしろいんだ! 訳がいいのかな? と思いながら読み始めたのはいいけれど、果てしなく続く前書きのような文章の連続に嫌気がさし、「いったいいつになったら本論に入るんや?!」とぼやき始めたこ…

『赤毛のアン』のテーマは「結婚」である

初めて『赤毛のアン』を読んだのはたぶん、小学3年生ぐらいだったと思う。やせっぽちでそばかすだらけのみっともないアンがわたしの自画像と重なった。そばかすこそなかったし髪も赤毛じゃなかったけど、子どもの頃のわたしは痩せて険しい表情をし、かわいげ…

『調べる、伝える、魅せる! 』

調べる、伝える、魅せる! 中公新書ラクレ 新世代ルポルタージュ指南 武田 徹著 : 中央公論新社 -------------------------------- 本書は、複数の大学でメディア・リテラシー教育に取り組む著者の実践を踏まえて、主にマスコミ業界を目指す学生など若者向…

最近読んだ2冊の短評

ニート / 玄田有史著・曲沼美恵著 幻冬舎 2004年 ニートとは、NEET(Not in Education,Employment,or Training)のこと。無業でかつ学校にも職業訓練にも就いていない者のことだ。 その数、推定40万人。今後大きな社会問題になることは間違いなく(今や既に社…

「絶望 断念 福音 映画 」

若松孝二「ゆけゆけ二度目の処女」「現代性犯罪絶叫篇・理由なき暴行」によって自殺から救われたという繊細で偏執的宮台の面目躍如のラインナップ。巻末に映画タイトル索引がついているのもよい。 宮台真司はわたしと同学年だから、世代的に共通する感覚や懐…

『フレーム憑き 』

フレーム憑き :視ることと症候 斎藤 環著 青土社 ----------------------------- 著者によると、真実は一つしかないそうである。いや、「一つしか存在しないものこそが真実」なんだそうだ(本書前書きより)。 精神科医が映画をどのように分析するのか、お…

学者の映画評はおもしろい

立て続けに映画批評を読んだ。 どちらも癖のある、斎藤環氏と宮台真司氏の映画評は、互いに映画への偏愛をつまびらかにする、その偏愛ぶりが微笑ましい。 映画を愛する人の映画評はほんと、おもしろい。 というか、映画を愛していなければ、映画評も書けない…

エニグマ

第二次大戦中、ドイツ軍は「エニグマ」と呼ばれるタイプライター様の暗号機を使っていた。これで発信した暗号のモールス信号を、別のエニグマ機で受信解読するのだ。エニグマ機は一万台を超える数が生産されていて、何台かはイギリス軍が入手していた。そし…

『野川』

ソネアキラさんがこの本を読了されたようだ。 bk1に気合を入れて書評投稿されるというので、楽しみにしている。 わたしは書こうと思ったけど、既にkingさんがすばらしい書評を書いておられるし、ほとんどわたしの感想と似ているので、投稿をためらってい…