吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

エセルとアーネスト ふたりの物語

イギリスの絵本作家レイモンド・ブリッグズが自らの両親を描いた絵本を原作とするアニメ。ブリッグズの原作そのままの筆致が素朴で美しい、驚くべき手描きアニメの世界にうっとりする。 1928年、ブリッグズの両親、メイドのエセルと年下の牛乳配達人アーネス…

ボーダー 二つの世界

今年一番の衝撃作。あまりにも精神的負荷が高かったのですっかり緊張して固まってしまいましたよ。この映画に関しては一切の事前情報なしで見ることをお勧めします。 とか言いながら簡単にあらすじだけ書いてみると。。。 主人公の中年女性ティーナは特別な…

記憶にございません

史上最悪の総理大臣一人が突然改心したところで、政治体制や官僚機構にメスが入らないと世の中は変わらないだろう。そんなことは百も承知でこのコメディ映画は一人の嫌われ者政治家が記憶喪失という偶然によりすっかり人が変わってしまい、そして次々と改革…

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ

思春期のこじらせ方はひとそれぞれだが、実は案外みんなよく似ているような気がする。基本的には承認欲求が昂じているのであり、劣等感にさいいなまれて自己否定する自分からいかに抜け出すかにかかっている。かくいうわたしも外見コンプレックスがひどくて…

ああ荒野 前篇・後篇

ボクサーの映画って本当は好きじゃないのだ。好きじゃないのに、なぜかうっかり映画を観てしまって、「ロッキー」なんて感動してしまって、ついつい続編もそのまた続編も見てしまうという変なやつがわたし。嫌よ嫌よも好きのうち? で、またしてもうっかり見…

人生をしまう時間(とき)

森鴎外の孫である80歳の医師、小堀鴎一郎は東大病院の名外科医であった。定年退職後の67歳のときからずっと、町医者として終末期の患者の在宅診療に携わってきた。そんな老医師とそのチームに密着したドキュメンタリー。NHKスペシャルとして放送された番…