2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧
罪と罰を問う物語。イ・チャンドン監督の前作「シークレット・サンシャイン」と同じテーマだが、演出がかなり異なり、リズムがゆったりしている。よく言えば静かでゆったりしており、悪く言えば間延びしている。「シークレット・サンシャイン」も淡々とした…
一ヶ月ほど前、長男Y太郎と二人でレイトショーで観た。なんと、大きなスクリーンの劇場は二人きり! 二人で独占してど真ん中の席を陣取る。前の席は蹴り放題、携帯し放題、大声のおしゃべりやりたい放題。のはずなのに、興奮して大きな声でしゃべっていたの…
「ローマの休日」と「昼下がりの情事」を足して2で割って薄めてみましたらまったく違うものができました、ていう映画。 「イタリア式恋愛マニュアル」の第三作。これが第三作だとはまったく知らなかった。しかも第1作を観た覚えもない。さっき自分の感想を…
長男Y太郎が今年見た映画の中で一番面白かったというから期待したら、期待値が高すぎたのか、それほどでもなかった。 物語は子ども同士の喧嘩から始まって、文字通り大人の喧嘩に発展していくスリリングな室内劇。原作の戯曲が持っている面白さをそのまま映…
長男Y太郎もわたしも3Dだと頭が痛いので、2Dで鑑賞。しかし食後のレイトショーはいつも眠いのである。すごく面白かったのに途中で少々寝てしまった…。残念無念。ちょっとテンポの悪いところがあったのが眠りを誘われた原因か。 全編これ、夢とファンタジー…
とても深い映画。ひたすら逃げるだけの男の信じがたい生命力と、その力と裏腹の悲しげで絶望的な瞳にひきこまれる。 アフガニスタンの乾いた大地で米軍に捕まったタリバンらしき男は、爆撃の後遺症で耳が聞こえなくなったまま捕虜となり、移送途中の車の横転…
デジタルリマスター版で上映、総天然色が蘇った幻の名作とかいう惹句に乗せられて、長男Y太郎と一緒に先月末にシネ・ヌーヴォーで観た。初公開の折にはマックス・オフュルス監督の作品がプロデューサーのせいでズタズタに編集し直されてしまったといういわく…
クレイアニメのこの作品が実写だったらどんな映画になっただろう、と何度も想像しながら見ていた。 劣等感に苛まれる孤独なオーストラリアの8歳の少女とニューヨーク在住のアスペルガー症候群の中年男性との文通。偶然から始まった二人の交流が20年にわたっ…
サンドラ・ブロックのラブコメを2作続けて紹介した(http://d.hatena.ne.jp/ginyu/20120306)ので、ついでにラジー賞受賞の翌日にサンドラがアカデミー賞を受賞した「しあわせの隠れ場所」をご紹介。 なんでも金なんだなぁ…と思わず嘆息。金があれば解決でき…
いっそ世界が消滅すればいい。何もかもが消えてしまい、人類はもろともに滅びる。大いなる災厄の渦中で中途半端に生き残ったりすれば、飢えと寒さに苦しんだあげく、欠乏の中で悲惨な最期を迎えることになる。それならば世界がすべて消えてしまえばどれほど…
あれから1年が過ぎた。今日は追悼の日。 1年前のそのときのことははっきりと覚えている。仕事中だった、大阪でも大きな横揺れがやってきた。 そして次々に明らかになる大きな被害。言葉を失くし、涙にくれた。その後、東北へは2回訪れた。2回目の9月にな…
続いてサンドラ・ブロック主演のラブコメ。 ほとんど定石通りのラブコメ。ちょっと「あれ?」と思わせる引き延ばしもありますが、結局は…。て感じ。 面白いのは、アメリカで偽装結婚が多いらしいこと。日本でも外国人労働者の偽装結婚が話題になったりしたけ…
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」で発達障害らしき息子の母親の苦悩を見事に演じたサンドラ・ブロック。その彼女自身がアスペルガー症候群と思しき女性を演じたコメディを思い出した。それは「ウルトラ I LOVE YOU!」という劇場未公開作。彼女…
ブリューゲルの絵は好きだ。自室の机の前にはshohoji(http://d.hatena.ne.jp/shohoji/)さんから貰った「反逆天使の墜落」のポスター画を貼っている。とても16世紀の絵とは思えない、アニメの原画のような楽しさに溢れた作品ばかり。宮崎駿の絵に似ていると…
パンデミック人類絶滅危機映画は数あれど、これほど詩的で深い作品には初めて出会った。人々は五感を一つずつ失っていく。嗅覚を、味覚を、聴覚を、視覚を。それは人類が直面した終末の日々。その爆発的感染が始まったときに一組の男女が出会った。女は感染…