吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2003-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「意識通信」

この本をごく普通のコミュニケーション論だと思って読むと、第2部で仰天してしまう。まるでSF小説を読むかのようだ。そこに描かれる近未来の電子コミュニケーションは、イメージの洪水の中で集団意識に染まりながら、交流者どうしが互いの意識を通わせ社会の…

意識通信 (ちくま学芸文庫)

意識通信 (ちくま学芸文庫) 森岡 正博著 : 筑摩書房 : 2002.7 -------------------------------- この本をごく普通のコミュニケーション論だと思って読むと、第2部で仰天してしまう。まるでSF小説を読むかのようだ。そこに描かれる近未来の電子コミュニ…

「言葉果つるところ」

心がそよそよと風に誘われて泡立ち、清浄な水に洗われて静かに浜辺に打ち寄せるような本。おさかなさんと対話しているような気持ちになれます。 鶴見和子のきっぷのいいしゃべりかた、理知的で潔い。鶴見の歌集は以前、書店で立ち読みした覚えがある。いくつ…

小説家を見つけたら

何をやらせてもできる天才児というのは確かにいるのだろう、驚異の記憶力と文才、バスケットボールの才能。どれか一つでもあれば世の中で成功するには充分なんだけれど、全部を持っている人間っていったい自分のことをどう見ているのだろう? もうわたしなん…

彗星の住人

彗星の住人 島田 雅彦著 : 新潮社 : 2000.11 ------------------------------- 最近こんなに夢中になって読んだ小説があっただろうか? 4代100年にわたる恋の物語、登場するのは蝶々さんとピンカートン、マッカサー元帥に原節子、描かれるのは日米関係史。…

サバルタン研究

太田さんの知のあり方にはとても共感する。ゲバラやキューバ革命を相対化し批判する。かといって「今だから言える」ような批判をのうのうとたれるようなことはしない。歴史の痛みを我がこととして捉える感性には共鳴しきり。 ただし、本書は評論集なので同じ…

ためらいの倫理学 (角川文庫)

ためらいの倫理学 (角川文庫): 戦争・性・物語 内田 樹著 : 角川書店 : 2003.8 ------------------------------- 単行本は既に買って読んだというのに、新しいテキストが4本入って高橋源一郎の解説文も掲載されているとか聞くと、ついつい買ってしまった…