2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧
すんでのところでヒトラーによってエッフェル塔もルーブル美術館もノートルダム寺院も破壊されてしまうところだったとは、まったく知らなかった。この史実は非常に興味深い。 戦争によって犠牲になるのは人命だけではない。多くの文化財や美術品が失われてい…
これぞまさしく図書館映画。世界最古の図書館、アレクサンドリアにあった巨大な図書館が舞台となる。つい最近、レイチェル・ワイズが歴史学者を演じた「否定と肯定」を見たばかりで、この人がもともとこういう理知的な役をやらせると似合っているということ…
「リアリティのダンス」の続編。奇妙奇天烈ぶりが相変わらず炸裂している。開巻シーンを見た瞬間に「来た来た来た来たっ」と心の中で叫びましたよ、わたくし。前作から3年。変わったことといえば、アレハンドロ・ホドロフスキーの少年時代を演じた役者の背が…
「ホロコーストはなかった」と主張するネオナチのイギリス人からある日突然告訴されたユダヤ系アメリカ人歴史研究者の手記を元にした映画。レイチェル・ワイズがアメリカの歴史学者で原作者のボラ・E・リップシュタットを演じる。ユダヤ人らしい赤い縮れ毛…
タイトルにある「手紙」とは、シャトーブリアン郡にあった政治犯収容所で処刑された27人の囚人が家族に宛てて書いた遺書を指す。本作はナチス占領下のフランスで実際に起きた事件を元にしたドラマだ。主人公の少年はわずか17歳。まだ幼さの残る顔をしている…
こんなおまぬけな連中に金庫破りができるのか? アホすぎるやろ。そんな杜撰な計画、上手く行くほど世の中甘くない! などなど、画面にツッコミを入れながら見ていたが、とにかく楽しい。 「オーシャンズ11」のときのような華麗なるプロの技ではなく、ド素…
ナチスの戦犯アイヒマンを逮捕することに執念を燃やしたユダヤ系ドイツ人検事長、フリッツ・バウアーの物語。「顔のないヒトラーたち」ではバウアーの部下である若手検事が活躍したが、「アイヒマンを追え」では架空の人物ではなく実在のバウアーが主役とな…
ネルーダといえば名作「イル・ポスティーノ」の印象しかないのだが、本作のネルーダはイル・ポスティーノとはかなりイメージが違って、我儘で好色な親爺という面が強く出ている。むしろそこしか印象に残らないという悪弊もあるかも。 演出そのものが詩のよう…
まったく緊張感が途切れることなく、手に汗握る。これが現実の話なのだとしたら、現場の指揮官と軍人のストレスたるや筆舌に尽くしがたいだろう。ヘレン・ミレンはこういう「鉄の女」役が実によく似合う。 ヘレン・ミレンが見事に演じたパウエル大佐は、現場…
ジェシカ・チャステインがこれ以上ないほど嫌な女ロビイストを演じている。主人公エリザベスは真っ赤な口紅を引き、ピンヒールにタイトなスーツといういで立ち。いかにもキャリアウーマンという彼女は恋愛をする気もないのか、セックスは男娼を買うことで処…
ドイツには「グッバイ・レーニン」(2003年)のような、傑作政治コメディがある。本作もその一つ。ミュンヘンに住む裕福なインテリ一家がある日、アフリカ難民を家に受け入れることになることから始まるドタバタコメディであり、難民問題のみならず、家族の…
宇宙飛行士というのは極めて知性が高い人々が就く職業だ。大昔、まだ10歳ぐらいだったころのわたしは、宇宙飛行士はある程度運動神経さえよければ誰でもなれると思っていた。大人になってそれは大間違いであることがわかったのだが、この映画を観ると改めて…
「アラビアのロレンス」を二回りぐらい小さくしたような映画。 最後まで見終わってもう一度巻頭のシーンに戻れば、それが何を意味するのかがよくわかる。巻頭のシーンに登場する人物は、チャーチル、T.E.ロレンス、イギリス領事。。。彼らは第一次世界大戦後…
劇場未公開なのでむべなるかな、というようなわかりにくい作品。キャスト・スタッフともに有名人をそろえているのに、結局劇場では見られないのかな。 国境なき医師団から分派した「世界の医療団」に所属する二人の医師の壮絶な活動と愛を語る物語。おそらく…
テレビ放映を意識したのか予定調和の美しい話で、大人向けの色っぽい場面もなくお茶の間の一家団欒に相応しい映画だ。だからお話もスイスイ進むし、ひっかかるところがさしてないのだが、何といっても画面に映し出される料理がおいしそうで、また「包丁侍」…