吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2012-01-01から1年間の記事一覧

少年は残酷な弓を射る

年末年始怒涛の映画評マラソン何本書けるかシリーズ第6弾。もうこれが限界。既に年が明けてしまった。 さて、本作は決して気持ちのいい映画ではない。むしろ、どんよりとした絶望感が残る後味の悪い作品だが、事件の加害者の親という立場に立たされた女性の…

ニーチェの馬

年末年始怒涛の映画評マラソン何本書けるかシリーズ第5弾。あーしんど、大晦日一日で5本アップしたぞよ。 うちの長男Yが今年のナンバー1映画だと言っていたが、同時に「家のテレビで見ても良さがわからないので意味が無い」とも言っていた。まさにその通り…

メリダとおそろしの森

年末年始怒涛の映画評マラソン何本書けるかシリーズ第4弾は、アニメ。 北欧神話のような雰囲気を持っているのは図柄が「ヒックとドラゴン」にそっくりだからか。舞台はスコットランドのとある王国。ここの男勝り(って差別語?)の王女が政略結婚を両親に迫…

最終目的地

年末年始怒涛の映画評マラソン何本書けるかシリーズ第3弾は、文芸作品。 わたしは見始めてすぐに原作は小説に違いない、それも心理描写をこと細かく描いたものに相違なかろうと想像した。残念ながら、この手の作品は小説世界であるならば饒舌に登場人物の心…

アルゴ

速報! アカデミー賞作品賞を受賞しました! 年末年始怒涛の映画評マラソン何本書けるかシリーズ第2弾は、ベン・アフレックの手腕が見事に発揮された本作。わたしは先日の女子会で「来春のアカデミー賞受賞間違いなし!」と叫んだら、「いや、この作品は既に…

レ・ミゼラブル

この日記を書いている時点は実際には12月31日である。大晦日を迎えて、今年見た映画のかなりの本数の感想をアップしていないことに気づいた。別に宿題じゃないんだからいつ書いても書かなくても全然誰にも迷惑をかけていないとは思うのだが、なんとなく書い…

ル・コルビュジエの家

有名な建築家ル・コルビュジエが設計した、ブエノスアイレス近郊の都市ラプラタの住宅をロケして作られた映画。住宅は本物である。内と外との境目がない、開放的な空間設計がコンセプトのユニークな住宅だ。わずか50坪ほどなので邸宅というほどのことでもな…

最強のふたり

いつものように長男Y太郎と一緒に鑑賞。Y太郎が大笑いして喜んでいたが、けっしてコメディではない。いや、単なるコメディではない。 ハリウッド映画だと思い込んでいたが、フランス語でしゃべり始めたのでびっくり。巻頭のスピーディな展開やカット割りはハ…

ヴァンパイア

いかにも岩井俊二。脚本も監督も編集も音楽も全部自分でやっているのだから、それはもう岩井俊二ワールドに満ち満ちています。劇場から出てくる人たちを眺めて長男Y太郎が「いかにも岩井俊二を好きそうな人ばっかりやな」と言う。岩井俊二のファンって見た目…

アベンジャーズ

10月8日の「ハルク」の記事で、「アベンジャーズ」については言及しないと書いたのだけれど、その後『キネマ旬報』の特集号を読んであまりに面白かったので、やっぱりちょっと記憶を手繰り寄せて書いてみよう。 この映画を観たのは8月のとある休日出勤の帰り…

ディクテーター

「アイアン・スカイ」に続いてオバカ映画連発。あまりにも下品な下ネタが多いので、良識あるインテリは決してこんな映画は見ないでしょう。まさかこれを見て笑ったりはしないよねぇ。そのうえ、うぷぷ、とか言って帰りの電車の中で反芻して笑ったりなんて決…

アイアン・スカイ

仕事を終えて帰宅途中、「大雨が降っているから駅まで車で迎えに行こうか」という親切なメールが長男Y太郎から届いた。なんという優しい息子だと感動していたら、駅でそのまま「映画を見に行こう」と提案されて、映画館へ。こういう誘いについ乗ってしまう自…

韓国図書館見学ツアー、番外編

9月の初めに韓国に図書館見学研修旅行に出かけたことは、エル・ライブラリーのブログに書いたのだが、そこに書かなかった、料理などのことを少々。 このツアーでは韓国の崔錫斗(チェ・ソクトゥ)先生にご案内いただいたので、さすがは地元の方のお薦めだけ…

テイク・ディス・ワルツ

ミシェル・ウィリアムズが以前よりふっくらと若返って愛らしい。 「アウェイ・フロム・ハー」ほどの衝撃はなかったが、サラ・ポーリーの繊細な人間観察眼はここでも生きている。結婚5年にして早くも倦怠期を迎える若い夫婦の機微をじっくりと舐めるように捉…

ハルク

「アベンジャーズ」の予習のために「ハルク」のDVDを借りてきた。いや実は、アベンジャーズのハルクはこれではなくて、「インクレディブル・ハルク」のようだ。で、このDVDを見た後で「アベンジャーズ」を見に行ったのだが、後半の戦闘続きのシーンで疲れて…

ボーン・レガシー

マスコミ試写にて8月初めに観た作品。すでに相当部分を忘れている(汗)。 「ボーン・アイデンティティ」シリーズの番外編として製作された作品だから、当然にもボーンシリーズを観ていないとお話になりません。以下、感想を思いつくままに。 マニラのアクシ…