吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『黒いスイス』

ミケ子さんのブログでの紹介で本書を知ったわけだが、永世中立国スイスが軍隊を持っていることぐらいはわたしも知っていたけれど、この本に書かれていることは驚くべきことばかりだった。 アルプスの山々に囲まれた平和な国、森と湖の国、という美しい観光国…

チャーリーとチョコレート工場

全国で4館だけ、上映中にチョコレートの香りが漂うという触れ込みの映画。その晴れの4館に選ばれたひとつがTOHOシネマズ高槻。こりゃー、高槻まで行かないといけないのか、やれやれ。 というわけで行ってきました。ところが! 劇場内に入るとチョコレートに…

「時間とあいまい」…鶴見俊輔論

去年の今頃、鶴見俊輔さんに小熊英二さんと上野千鶴子さんがインタビューした『戦争が遺したもの』の読書会をしていた。そのとき、何人がかりかでこの素晴らしい本を読んで、ああでもないこうでもないと語りあったというのに、その誰もが気づかなかったこと…

『ホモ・サケル』メモ:第3部

第3部、アガンベンは収容所を分析対象とする。フーコーが晩年に研究した「生政治」の対象からはずした収容所、いっぽう、ハナ・アーレントが研究対象としながら生政治的な視点をもちこまなかった収容所。アガンベンは収容所を分析するとき、フーコーとアーレ…

父と暮せば

原爆投下から3年後の夏に突然現れた父の幽霊。ひょうきんで弾けるように明るい幽霊と娘との4日間を描いた小さな物語。 広島の図書館に勤める23歳の乙女、美津江(宮沢りえ)のもとにある日突然、原爆で亡くなった父が現れた。「わしはお前の恋の応援団じゃ」…

『小説の自由』

この本は、小説の書き方指南を目的としているわけではないのに、読んでいるうちに不思議と創作意欲がムラムラとわいてくるのだ。目は文字を追いながら、頭の中には小説の文章がすらすらとあふれてくる。「おお、すごいぞ、久しぶりに新作を書こうかな」と興…

希望格差社会

今頃だけれど、一部で話題になった『希望格差社会』を読了。 この本を読みながらずっと感じ続けたことをひとことで言えば、「違和感」。 現状を分析する手際はいいのだろう。すぱすぱと切っていくその手腕は「なるほど、そうなんだろうなぁ」とは思う。 でも…

コンパクトにまとまった『日本とドイツ 二つの戦後思想』

この本は梶ピエールさんのブログに「お奨め」とあったのでそそられて読んだ本。やっぱり、おもしろかった。ついでにうちのつれあいにも薦めたら、彼も面白がって、ただいま読書中である。この本は「はじめに」を読むとついつい「これは面白そう」と思わせる…