吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ウェルカム トゥ ダリ

芸術家の伝記映画はたいてい面白い。何しろ人物そのものが奇矯であり、人生そのものが山あり谷ありの波乱万丈。普通に撮っていてもそれなりに見られる作品にはなるはずだ。それに本人の描いた作品もたくさん見られて幸せ。 しかしこの映画ではダリの作品をほ…

本作は、2016年に起きた障害者施設での大量殺人事件を題材にした辺見庸の小説の映画化作品。原作は小説でしかなしえない表現で重度障害者の意識の流れを複数人の一人称でつづっていく意欲作だが、映画ではその構成を大胆に変えて、具体的なストーリーを組み…

福田村事件

関東大震災から百年を期して、ついに朝鮮人虐殺事件がテーマとなる作品が公開された。ドキュメンタリー監督として高名な森達也がどうしてもドラマとして撮りたかったというのは、日本人9名が朝鮮人と間違えられて惨殺された福田村(現・千葉県野田市)事件で…