吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

リチャード・ジュエル

奇をてらうこともなくかっちりと作られている映画なので、その分面白みがない。しかし、冤罪というものがこのようにして作られるというのがよくわかって、恐ろしい。 物語は、1996年のアトランタ五輪大会期間中に起きた爆弾テロに題材をとる。主人公は警備員…

ザ・クリエイター/創造者

機械と人間との争いが極限に達した近未来を舞台にした物語。こういう基本設定の映画はこれまでいくらでもあったから、どれほど新味を出せるか、興味津々である。ストーリーとしてはもはや新味を出すのは難しいかもしれない。そうなると、プロダクションデザ…

ワース 命の値段

9.11テロをめぐる映画はいくつも作られたが、本作のように被害者7000人に政府が犠牲者補償金を払っていたという話は初めて知った。しかもその理由が、「ハイジャックに遭った航空会社が訴えられたら、訴訟だらけになって大混乱する」ということなのだから、…

明日に向かって笑え! 

てっきり実話と思い込んでみていたのだけれど、こんなうまい話は無いわな。きっと作り話なんだろうけど、ものすごく面白かったので爽快である。日本語タイトルはもちろん「明日に向って撃て!」のもじりである。 本作は2001年アルゼンチンの金融危機を背景に…

愛の予感

不思議な映画だ。ある意味、映画の原点のような。冒頭以外にはほぼセリフがないので、ひたすら映像だけで「事態」の推移も登場人物の心理も描いていく。まるで無声映画のようだ。しかも、二人の人物の淡々とした日常生活を繰り返し映していくだけ。中年男は…

非常宣言

タイトルの「非常宣言」は航空機が操縦不能などの緊急事態に陥ったときに不時着などを要請することを言うらしい。 で、問題の航空機はバイオテロの標的となって、機内に致死性ウィルスがばらまかれ、患者が次々死んでいき、どこにも着陸許可が下りないという…

バーナデット ママは行方不明

ケイト・ブランシェットの演技力に舌を巻く作品。ほぼ彼女の顔を見ているだけで終わってしまうような。それだけで十分見ごたえがあるのにもかかわらず、なんとわたしは中盤以降で寝落ちして、バーナデットがなぜ「天才」と呼ばれた建築家の仕事をなげうった…