吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

ディリリとパリの時間旅行

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 一年半前に訪れたパリの懐かしい風景が次々に登場する。本物よりも写真よりも美しいアニメ。どうやって描いたのか? あまりにも美しいので、画面を止めて何度でも巻き戻して見たくなるくらいだ。

 物語の舞台はベル・エポックと言われた時代のパリ。超有名人が次々と登場する。あまりにも普通にピカソだのミュシャだのサラ・ベルナールだのマリー・キュリープルーストロートレック、などなどがさらっと登場するのでよくわからない(笑)。

 主人公の少女はニューカレドニアからやってきた混血のディリリ。幼き淑女たる彼女は好奇心旺盛で、その大きな瞳でパリのいろんな場所に出没し、大冒険を繰り広げる。ときあたかも「男性支配団」による少女誘拐事件が勃発していた。ディリリは友達になった青年配達人オレルとともに犯人を捜す。

 人種差別、性差別、貧富の格差、といった社会問題をさらりと含めてお話はすいすい進む。あまりにも早いのでもう目が点になる。そしてあまりにも美しい風景の数々に、「時よ止まれ」と言いたくなる。こういう映画はぜひ劇場の大スクリーンで見たかった。せめてもう一度二度、また見てみたい。(レンタルBlu-ray

2018
DILILI A PARIS
フランス / ベルギー / ドイツ  Color 
94分 
監督:
ミッシェル・オスロ
製作:
クリストフ・ロシニョン、フィリップ・ボエファール
脚本:
ミッシェル・オスロ
音楽:
ガブリエル・ヤレド
声の出演:ディリリ 
プリュネル・シャルル=アンブロン
オレル 
エンゾ・ラツィト
エマ・カルヴェ 
ナタリー・デセイ