一年半前に訪れたパリの懐かしい風景が次々に登場する。本物よりも写真よりも美しいアニメ。どうやって描いたのか? あまりにも美しいので、画面を止めて何度でも巻き戻して見たくなるくらいだ。
物語の舞台はベル・エポックと言われた時代のパリ。超有名人が次々と登場する。あまりにも普通にピカソだのミュシャだのサラ・ベルナールだのマリー・キュリー、プルースト、ロートレック、などなどがさらっと登場するのでよくわからない(笑)。
主人公の少女はニューカレドニアからやってきた混血のディリリ。幼き淑女たる彼女は好奇心旺盛で、その大きな瞳でパリのいろんな場所に出没し、大冒険を繰り広げる。ときあたかも「男性支配団」による少女誘拐事件が勃発していた。ディリリは友達になった青年配達人オレルとともに犯人を捜す。
人種差別、性差別、貧富の格差、といった社会問題をさらりと含めてお話はすいすい進む。あまりにも早いのでもう目が点になる。そしてあまりにも美しい風景の数々に、「時よ止まれ」と言いたくなる。こういう映画はぜひ劇場の大スクリーンで見たかった。せめてもう一度二度、また見てみたい。(レンタルBlu-ray)