吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしの物語

なぜ「わたしの物語」なのかと言えば、私小説ならぬ「私映像」、セルフ・ポートレート・ドキュメンタリーだから。生まれながらに股関節が無く、大腿骨も短い「障害者」である二十代の映画監督エラ・グレンディニングの「わたしの物語」は「わたしを肯定する…

身代わり忠臣蔵

原作は漫画かなと思ったほどにドタバタが過ぎるコメディ時代劇。最後のほう、討ち入りの段になってやっと少しだけシリアスな場面も出てくるのだが、こんな奇想天外な展開を考えた原作者が偉い。 で、原作者が脚本を書いているから原作もこんなふうにコメディ…

哀れなるものたち

今年3月末に映画館で鑑賞した。 この作品はわたしがこれまで見た変な映画のうち3本の指に入る。1本は「タクシデルミア」で、もう1本はなんだろ。思い出せない。本作は最初から最後まで変だったし、魚眼カメラみたいなのを多用するのは「女王陛下のお気に入り…

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女

眠い時に目が覚める映画を! というわけでカーアクション満載のこの映画。「ベイビー・ドライバー」の韓国版というところか。運転手は若い女、ウナ。彼女は脱北してきたという生い立ちで、越境の際に家族を全員失っている。そんなトラウマ女性がハンドルを握…

うんこと死体の復権

タイトルからしてちょっとビビッていたのだが、巻頭いきなりおじさんがノグソ(野糞)するシーンに度肝を抜かれた。おじさんだけではない。うら若き乙女も野糞するのである。しかもその糞を1週間後ぐらいに掘り起こして、どれだけ虫さんたちが分解したかを科…