吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

ジョン・ウィック:パラベラム

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 製作費が鰻上りになっているこのシリーズ、この第三作に至っては、どんだけ金をつぎ込んでるねん!というぐらいに金かかっていることがあからさまな出来具合となっております。

 で、どこに金を使っているか! その1.海外ロケ。今回、モロッコカサブランカで。その2.美術。鏡の間ってなんですか?コンチネンタルホテルも内装見せてます。 その3.アクションスタントが増えまくり。どんだけ人件費も増えてるねん。おまけに馬や犬まで動員して!

 なんかねえ、金をつぎ込めばいいってもんではないのですよ、実は。話が長すぎて退屈する退屈する。

 ジョン・ウィックは何があっても死なないっていうのはわかっていますよ、だからこれはいいの。で、闇の組織の「主席連合」てなんじゃらほい。前作でもその片鱗が登場したけれど、今回のそのシステマティックなレトロぶりは大いに受けた。ほとんど「スティング」の世界。なんじゃこれ、今どき賭け金の跳ね上がり方を黒板に手書きしますか?! 電話はダイヤル式、パソコンはひょっとしてMS-DOSか? もうこの細部の凝り方に脱帽。逆に言うとそれ以外はどうでもいい。

 カンフーとかガン・アクションとかバイクアクションとか、次々と繰り出すアクションシーンが長すぎるので、30分ぐらいはカットできるはず。

 大事なことを書き忘れるところだった。このシリーズ、引き続き図書館映画であります。ニューヨーク公共図書館が画面に登場する。そして、貴重書(のはず!)の中がくり抜かれていて、コインなどの「三種の神器」が隠してあるのだ。これにはたまげましたよ。さらに、ジョン・ウィックにかかってはなんでも武器になってしまうのであった。よい子は本で人を殺してはいけません。(レンタルBlu-ray) 

2019
JOHN WICK: CHAPTER 3 - PARABELLUM
アメリカ  Color  131分 
 
監督:チャド・スタエルスキ
脚本:
デレク・コルスタッド、シェイ・ハッテン、クリス・コリンズ、マーク・エイブラムス
音楽:
タイラー・ベイツジョエル・J・リチャード
出演:
キアヌ・リーヴスハル・ベリーイアン・マクシェーンローレンス・フィッシュバーンアンジェリカ・ヒューストン