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吟遊旅人ピピのシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。

インデペンデンス・デイ:リサージェンス

S次郎(23歳)の運転でレイトショーへ。公開第1週の土曜夜とあって観客の入りが良い。Sと二人で見る映画ってこういうわかりやすい娯楽作品ばかりだから、楽しい。 見終わって開口一番、「アメリカ人が見たがる要素がすべて入っていたなぁ」「観客が何を求め…

奇跡のひと マリーとマルグリット

奇跡の人はヘレン・ケラーだけではなかった。 19世紀末、フランスの修道院に連れてこられた三重苦の少女マリーと、彼女を忍耐強く教育した修道尼マルグリットの物語。 耳の聞こえない少女たちが暮らす修道院に勤める、病弱で余命いくばくもない修道尼マルグ…

ダーク・プレイス

ダーク・プレイスは心の闇。主人公の心に28年間住み続けた闇は晴れるのか。8歳の時に家族を惨殺され、しかも兄がその犯人として投獄されたリビーが主人公。28年経って明かされる真実は、彼女を生き直らせるのだろうか。 リビー役のシャーリーズ・セロンはあ…

にあんちゃん

6月11日に東京で開催された「日本の労働映画百選」発表記念シンポジウムでの上映会で見た作品である。日本の労働映画百選はNPO法人働く文化ネットが開催しているイベントで、二年がかりで膨大な量の候補作が挙げられてきた。このたび100本に絞ってリストが…

ローマでアモーレ

昨日に続いてウディ・アレンの作品紹介。 なんと、オルネラ・ムーティが出ていたんだ! どこにいたのか全然わからない。彼女のもう還暦を超えたのだから、いいおば(あ)さんになっているだろう。ひょっとしてナイフを振り回していたエキセントリックな母親…

ジゴロ・イン・ニューヨーク

先ごろ映画館でウディ・アレン監督「教授のおかしな妄想殺人」を見たが、これはいまいちだったので、お口直しにこれまでアップしていなかったウディ・アレン作品をいくつかご紹介。 これ、ウディ・アレンが監督じゃなくて、ジョン・タートゥーロが監督だった…

10 クローバーフィールド・レーン

かの有名な「クローバーフィールド」を見ていないので比べることができないし、そもそも続編かどうかも不確定という本作。 ある日、交通事故に遭ったヒロインは、目覚めると見知らぬ部屋に監禁されていた、という密室からの脱出劇。メアリー・エリザベス・ウ…

マネーモンスター

映画のタイトルと同じ名前の、毎週金曜び夜の財テク娯楽番組の人気者が生放送中に人質になる、というサスペンス。人気キャスターのリー・ゲイツは軽佻浮薄そうな男。スターだからお金は持ってるが、女性ディレクターに「精神年齢7歳」と言われて、離婚も3回…

64 ロクヨン 前編 後編

キャストを見ると今人気の若手がしっかり目立っていて、さらにベテランがいい仕事をして、万全の布陣。瀬々監督は盤石の演出。警察記者クラブの雰囲気がちょっとエキサイティングな感じもするけれど、原作がそういうものなのだろうか。ちょっとだけ席に着く…

リストランテの夜

たぶん20年ぶりに再見。スタンリー・トゥッチが主役だったとは! 若い! 髪の毛がある! しかも監督までしていたとは知らなかった。 1950年代、イタリア系移民兄弟が経営するレストランの物語。腕は間違いなくいいのに、味オンチのアメリカ人には受けない凝…

マクベス

現代劇ふうにアレンジしたシェイクスピアかと思ったのだが、いやいやそのままシェイクスピアでした。もうセリフ回しのかったるいこと。その修辞を使ってぐだぐだ語っている隙に敵に撃たれたらどうすんの。いちいちいちいち、七面倒くさいセリフを言うのはも…

団地

大阪の郊外にある団地を舞台に展開するドタバタコメディ。ドタバタにも関わらず底知れぬ悲しさが流れているのは、主人公夫婦がつい最近、息子を喪ったから。漢方薬局を廃業して団地に引っ越してきた初老の夫婦は、自分たちの過去を周囲にほとんど語ることが…

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ

マイケル・ムーアが、世界各国の良いところを「侵略の成果としてアメリカに持ち帰る」というプロジェクト。 侵略される国はイタリア、フランス、フィンランド。。。。と、ヨーロッパばっかりやんか! 日本は? 日本は侵略される価値がないのか?! まずはイ…

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

鑑賞してから数か月経つので細かいことは忘れているけれど、とても気持ちのいい印象が残った作品。 元教師のルース(ダイアン・キートン)と画家のアレックス(モーガン・フリーマン)は結婚40年の二人暮らし。子どもはいないが、楽しい毎日を過ごしてきた。…

海よりもまだ深く

親子役が樹木希林と阿部寛という点も、タイトルを古い流行歌からとったという点でも、「歩いても歩いても」の姉妹編と言える作品。テーマもやはり同じように日常生活のささやかな機微を描いている。 売れない作家の良多(阿部寛)は、離婚した妻(真木よう子…

君がくれたグッドライフ

36歳という若さで安楽死(尊厳死)を選ぶ主人公の最期の自転車旅行を、時にユーモラスに時に重く、最後はさわやかに描く物語。 毎年5月は自転車月間らしい。そんなもの誰が決めたのかと思いきや、一般財団法人日本自転車普及協会などが推進しているようだ。…

アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち

この10年ほどの間にアイヒマン裁判関連の映画が何本も作られている。その裁判がどのように世界に報道されたのか、テレビを通じてお茶の間にニュースが流れたという事実にわたしは今までまったく気づかなかった。確かに1961年なら既にアメリカではテレビがか…

インサイダーズ/内部者たち

この映画は確か、3月に見たはず。後で感想を書こうと思っているうちにずるずると後回しになりました。 エログロ・ナンセンスな政治スキャンダル劇。韓国人はこういうのが好きなのか、なぜか歴代1位(R指定作品のなかでという限定付き)のヒットを収めたとい…

カルテル・ランド

この映画と「ボーダーライン」を続けて見たら、もう誰もメキシコには行きたくなくなるのでは。「ボーダーライン」は実話だったんだ! と改めて驚愕するような【閲覧注意】映像が頻出する。 本作は「ハートロッカー」のキャスリン・ビグロー監督が製作総指揮…

ボーダーライン

「灼熱の魂」「プリズナーズ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作。テンションの高い作品を作る人だから、この「ボーダーライン」もやはり随所に謎をちりばめ嘘をばらまき、主人公と観客をまどわせる。 アメリカ合衆国とメキシコの国境で繰り広げられる麻薬戦争の…

ヘイル、シーザー!

ハリウッド全盛時代の映画製作の舞台裏を面白おかしく見せながら、古き映画への愛と諧謔を語りつくす、冷戦とマッカーシズムへの批判を描いた社会派作品である。え? 要するに、ナンデモアリのギャグ映画ということ。コーエン兄弟は作品ごとに違う味わいを見…

ズートピア

肉食獣と草食獣の共存というテーマは日本アニメ「おまえうまそうだな」と同じだ。絵のスケールや技術力は「ズートピア」が圧倒するが、相容れない両者の軋轢や葛藤は「おまえうまそうだな」のほうが深かった。 ディズニーアニメの技術力には今更驚かないのだ…

ミルカ

原題は「走れミルカ、走れ」。文字通りインド現代史を駆け抜けたアスリート、ミルカの伝記。ものすごく真面目で重い内容なのに、やっぱり踊るところがさすがはインド映画。 ミルカ・シンは1960年のローマオリンピックにインド代表選手として400メートル走に…

プリズナーズ

二時間半近い長尺をまったく飽きさせない。最後まで緊張感が持続する優れたサスペンス映画だ。「灼熱の魂」のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督している。 郊外の住宅街で幸せに暮らす二つの家族。ひとつは工務店経営者のヒュー・ジャックマン一家、もうひとつはテ…

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

スーパーマンとバットマンの対決に続いて、ヒーロー同志が戦うお話。こういうのが流行なんだろうか、それともネタ切れでぶっ飛んだ悪役を生み出せないために苦肉の策で考えついたのか。正義の味方アメリカ合衆国軍が活躍するたびに民間人を含めた犠牲者が増…

駆込み女と駆け出し男

ほとんど期待していなかったのに、意外な出来。コメディぽく宣伝されていたから、軽い話かと思っていたが、なかなかどうして、江戸末期の日本文学史にも触れる蘊蓄ぶりが興味深い作品であった。 音楽も美しくて、ジェームズ・ホーナーばりのメロディーライン…

おまえうまそうだな

草食獣に育てられた肉食獣がひょんなことから草食獣を育てることになり。これは憎しみの連鎖ではなく愛の連鎖。しかし、その愛は互いに葛藤があっての上のことだから、見ていて苦しくなってくる。 絵柄はシンプルなアニメ作品だけれど、描かれている内容は深…

さざなみ

原題は「45年」。結婚45周年を祝う夫婦に突然現れた過去の女性の存在が、二人の間に亀裂を生み、さざ波どころではない波風を立てることになる。 とある片田舎に住むケイトとジェフはともに教員だった夫婦。今週の土曜日には結婚45周年を祝うパーティを盛大に…

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

「正義の味方」同士が対決したらどっちが勝つの。そりゃあ、いくら特殊スーツに身を包んでいても生身の人間であるバットマンに勝ち目はないでしょ、相手は異星人なんだから。それにしても、なんでバットマンがスーパーマンを目の敵にするのかがよくわかりま…

レヴェナント:蘇えりし者

これぞ映画! 地面の水がさわさわと波立ち、水の中から屹立する木々をカメラが舐め上げる巻頭の水辺の林のシーンで既にわしづかみされ、一気に映像世界に体ごと入っていく感覚に酩酊する。そんな、至福の映像体験ができる作品。これは文字で表すことのできな…

マジカル・ガール

人を食ったようなお話。どこに転がるかわからない展開。肝心なところはほのめかしだけで一切描かない憎たらしさ。そんな映画を面白いと思うかどうか、かなり好みの分かれる映画。わたしは前半爆睡、後半になってやっと目が覚めたけれど、そのあらぬ展開ぶり…

スポットライト 世紀のスクープ

今年のアカデミー賞作品賞受賞作。まじめな社会派作品で、社会派の王道を行く。と同時に図書館映画、アーカイブ映画でもあった。個人的には収穫の多い作品。 カトリック教会で子どもたちが神父の性的暴行の被害者になっていた事実が暴かれ、しかもその性犯罪…

ヴィジット

久々にヒットしました、シャマランのホラー。超絶怖かったと同時に笑ってしまう箇所もいくつもあって、なかなか楽しめる娯楽作。何が怖いといって、年寄り程怖いものはないということがわかったことが怖かった。 ふだん老人と接することのな子どもたちにとっ…

僕だけがいない街

意外なことに、これは図書館映画だった。主人公は昔の事件を調べるために図書館に行って、新聞の縮刷版を閲覧する。ちゃんとそういうことがわかっているっていうのは賢いね。図書館の使い方を心得ている、という点で図書館オリエンテーションになる映画では…

リリーのすべて

1930年代(映画では1920年代)に世界で初めて性転換手術を受けて男性から女性になった画家とその妻の愛の物語。 主人公はアイナー・ヴェルナーというデンマークの画家で、同じく画家(イラストレーター)の妻ゲルダと仲良く暮らしていた。ある日、ゲルダの要…

ルーム

7年間監禁されていた若い女性ジョイが、その間に息子を産み、その息子ジャックが5歳の誕生日を迎えたころ、重大な決意を固める。「部屋(ルーム)を出るのだ」と。果たして彼らは監禁犯人の隙をついて部屋から逃げ出すことができるのだろうか。 というサスペ…

サウルの息子

予想通りというべきか、途中何度も睡魔と闘い続けた2時間。恐ろしく退屈で恐ろしく負荷のかかる映画。と当時にナチスの強制収容所とは何であったのかを考えさせる、新たな視角を与えてくれる作品だ。 強制収容所の中では、一部のユダヤ人が監視役と雑用係と…

わたしはロランス

心をかき乱されるラブ・ストーリー。愛し合う二人を隔てる壁は、彼が「女」であること。ラストシーンの切なさがいつまでも尾を引く。 カナダ、モントリオールに暮らすロランスとフレッドのカップルは今日も楽しげにベッドで戯れる。小説を書いている教師のロ…

グローリー 明日への行進

原題の「セルマ」にある通り、本作はキング牧師の伝記映画ではなく、1965年3月のアラバマ州セルマの大行進について描いたドラマである。" I have a dream" で有名な1963年8月28日のワシントン大行進をこの映画は描かない。ドラマの始まりは1964年のノーベル…

不屈の男 アンブロークン

こんないい映画が大阪ではたった2館でひっそりと上映されているなんて。ネトウヨのせいで、もうちょっとで公開も危うかったなんて。ネット上では厳しい感想も多く見受けたが、映画は物語であって事実をそのまま描くものではない。「事実」「史実」と細部が異…

エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)

登山は得意ではないのに、山の映画は大好きというわたしにとっては、この映画ぐらいの感じでちょうどいいかもしれない。というのも、「エベレスト 3D」に比べれれば遭難場面の描写が淡々としていて、むしろほっとする感じだ。 これまでいくつも見た山岳映画…

X-ミッション

これほど手に汗握るスポーツアクション映画は初めてかも。CGなし、というのが驚きである。いや実に面白かった。 で、ストーリーはといえば、主人公エドガーはFBIの潜入捜査官で、悪の組織「オザキ8」の実行集団に参入し、前人未到の山岳アクションに取り組む…

ザ・ウォーク

これほど手に汗握り、足が気持ち悪くなった映画は初めて。おかげで途中で靴下を脱いで足を座席に上げていたよ。とてもまともに見ていられません、高いところが怖い人間にはこれほど恐怖をそそる映画はない。 この映画の内容についてはドキュメンタリー映画「…

私の恋活ダイアリー

機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第9弾。 60歳を超えた主人公ニリ・タルは本作の監督でもある。自身の恋人探しを記録するドキュメンタリーを思いついたニリは…

スティーブ・ジョブズ

迫りくる原稿の締め切りから現実逃避するかのように、映画館へダッシュして見た作品。 スティーブ・ジョブズの伝記映画は2013年に作られているが、あまり評判がよくない。で、本作マイケル・ファスベンダー主演のは、脚本がよくできていて、さらに演出もスタ…

オデッセイ

1週間前にこの映画を観て以来、ドナ・サマーの"Hot Stuff" が脳内で無限ループしている。 原題は「火星の人」。ネットで公開され、あっという間に大ヒットした小説を原作とする。 火星にたった一人取り残されたマークの視点でみれば、この物語は「ロビンソン…

柘榴坂の仇討

機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第8弾。 映画は役者二人の年齢が高くてちょっと渋めに決めすぎたきらいがある。中井貴一が嫁をもらうシーンが巻頭のほうにあ…

ルノワール 陽だまりの裸婦

機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第7弾。 日本で展覧会が開かれれば来場者が殺到する画家の筆頭は、ルノワールとゴッホ(たぶん)。ルノワール最晩年のミュー…

凶悪

機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第7弾。 原作が淡々としたドキュメンタリーだったのに対して、映像の力というのは恐るべし、残虐なシーンもそのままリアルに…

ワールド・ウォーZ 3D

機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第7弾。 ホラー苦手なわたしにも充分楽しめる、ゾンビ系ホラー・パニック感染映画。ブラピことブラッド・ピットが製作・主演…