吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

AIR/エア

https://eiga.k-img.com/images/movie/99032/photo/21368134f9b80c56/640.jpg?1678417904

 強烈に印象に残っていることが一つ。この映画のテーマが「言葉」であること。「言葉の持つ力」こそが勝利/栄光/利益/権力の源泉であることを活写している。

 業績不振のナイキ社を立て直した「エア・ジョーダン」というスポーツシューズを生んだソニー・ヴァッカロが主人公。彼が、無名の新人だったマイケル・ジョーダンに目を付けるところからこのヒット作誕生の物語は始まるのだ。営業担当のソニーはさすが営業マンだけあって、口が達者。そして、スピーチの威力を十分に理解している。その逸話がキング牧師の " I have a dream " であるというのも瞠目。

 マイケル・ジョーダンはまったく正面から映されることがなく、最後まで謎の人物扱いなのも面白かった。もっとも印象に残るのは、マイケル・ジョーダンの母親の賢さだ。丁々発止でナイキ側とやりあう場面が秀逸だった。

2023
AIR
アメリカ  Color  112分
監督:ベン・アフレック
製作:デヴィッド・エリソンほか
脚本:アレックス・コンヴェリー
撮影:ロバート・リチャードソン
出演:マット・デイモンベン・アフレックジェイソン・ベイトマンクリス・メッシーナマーロン・ウェイアンズクリス・タッカー