吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

バービー

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 まさかの「2001年宇宙の旅」! これで幕を開けるとは予想外だったので、驚くやら笑うやら。以下全編、どこかでみたことのある風景やどこかで聞いたことのある音楽やどこかで見たことのあるダンスシーンが繰り広げられる。これほど既視感が強い映画なのに、見終わってみたら、これまで見たことがない作品だった。

 そもそもの設定が、バービー人形の世界と人間界との境界がほぼ存在しないという不思議な物語。バービーが住むすべてがピンク色のハッピーな町で、ある日突然、不調を感じたバービーはパニックに陥る。毎日毎日毎日同じことを繰り返して生きてきたのに、どうして今日はいつもと違うの? これは大変、バービーを作った会社に行ってなんとかしてもらわねば! とオープンカーに乗って一路、バービーの生みの親、マテル社に向かうのであった!

 とにかくハチャメチャに楽しい。世界中がピンクに染められた世界、そしてバービーの恋人ケンはかっこいいライアン・ゴズリング。バービーは人形として消費される自分のキャラクターに疑問を抱いて自律への道を選ぶ! ストーリーはフェミニズム的に正しく展開するのだけれど、なんだかねえ…。

 まあとにかく感心したのは、これだけ(どれだけ?)ディスられているマテル社の寛大さ。本社のビルの中が近未来的で美術的には見どころがあった。

2023
BARBIE
アメリカ  Color  114分

監督:グレタ・ガーウィグ
製作:デヴィッド・ハイマン、マーゴット・ロビーほか
製作総指揮:グレタ・ガーウィグほか
脚本:グレタ・ガーウィグノア・バームバック
撮影:ロドリゴ・プリエト
音楽:マーク・ロンソン、アンドリュー・ワイアット
音楽監修:ジョージ・ドレイコリアス
ナレーション:ヘレン・ミレン
出演:マーゴット・ロビーライアン・ゴズリングアメリカ・フェレーラ、アリアナ・グリーンブラット、ケイト・マッキノン、シム・リウ、ウィル・フェレル