吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。

2019-04-29から1日間の記事一覧

ブルゴーニュで会いましょう

ずらりと並ぶワインとグラスがアップで写る巻頭。軽快なジャズボーカルが流れるこの場面がおしゃれだ。そのワインを次々とテイスティングするかっこいいお兄ちゃんはシャルリという名のワイン評論家。ソムリエとはまた違うんだな。彼はワインの評価をして本…

麒麟の翼 ~劇場版・新参者~

あ、これはシリーズものだったのか。テレビで放送していたドラマの劇場版ね。なるほど、それでキャラクターの説明があまりなかったわけだ。 労災問題が登場するのだが、気になるセリフが。「労災なら、治療費は会社から出るだろう」と登場人物の一人が言う。…

クレイジー・フォー・マウンテン

原題は「マウンテン」だけなのに、そこに「クレイジー」という言葉を足したくなる気持ちはわかる! ほんと、頭おかしいよね(褒めてる)。この映画は、世界中の名山を舞台にありとあらゆる手段で駆け上り駈け下りるクレイジーな人々を追ったドキュメンタリー…

天才作家の妻 ―40年目の真実―

グレン・クローズに主演女優賞を差し上げたいが、作品賞は無理。彼女の演技が素晴らしいので目を見張るが、映画としてはさほどの優れた点は感じられない。いかにも原作小説がありそうなお話で、古典的な演出なので、大画面で見るほどのことはなさそうな感じ…

SCOOP!

これは好みが分かれそうな映画。わたしはまったく期待せずに見たので、「意外に面白いやんか」と最後まで楽しめた。しかし、なんだか時代設定が古臭いと思ったら、やっぱりオリジナルは1985年の作品だったのか。どうりで、今や写真週刊誌なんか売れないのに…

僕のワンダフル・ライフ

犬の映画ならこの人!というわけで起用されたのかどうかは知らないが、ラッセ・ハルストレム監督作品。輪廻転生ならぬ、輪廻犬転である。人生ならぬ犬生についてあれこれと犬目線で語る映画だから、「吾輩は犬である」の世界である。 とにかく犬が可愛い。主…

家族のレシピ

群馬県にある、行列のできるラーメン屋の店主が急死した。遺された息子真人(まさと)が本作の主人公で、彼は日本人の父と中国系シンガポール人の母との間に生まれ、十歳で母を亡くし、二十数年後の今また父を亡くしてしまった。 かくしてルーツを求める真人…

ファントム・スレッド

功成り名を遂げた初老の男にとって、大事なのは自分の仕事であり、自分だけの時間だ。たとえ若いミューズを見つけて一緒に暮らし始めたとしても、所詮は彼女は彼の仕事(の一部)にとって大事な存在であり、あるいは息抜きにしか過ぎない。しかし女のほうは…

大空港2013

「short cut」に続いて三谷幸喜のワンカットテレビドラマを見てみた。これまた面白い。しかし、ワンカットものならやっぱり「short cut」のほうが会話の妙味が冴えていた分、面白みは上だと思う。この大空港は舞台が広がり、登場人物も何倍にも増えた分、ち…

Short Cut

これはケッサク。笑いつつ、感心しつつみていた作品。三谷幸喜のテレビ作品なので、場所は狭いし登場人物はほとんど二人で、「これひょっとして中井貴一と鈴木京香の二人芝居なのか?」と怪しんだころに絶妙のタイミングで三人目が登場するという三人芝居。…

夜明け

是枝裕和監督の弟子である、広瀬奈々子監督のデビュー作。なるほど、作風がよく似ている。是枝監督と同じく、物語に落ちを付けない人だ。 物語は、8年前に妻子を亡くした中年男がある日河原で倒れている若者を拾い、自宅で介護して自分が経営する木工所で働…

ナイトクローラー

失業中でケチなコソ泥によって生活する中年男が、ふとしたきっかけで特ダネ映像を撮ったばかりにテレビ局への売り込みを覚えて、たちまち売れっ子パパラッチになっていく様を、ジェイク・ギレンホールが悪魔的なその顔でぞっとするほど見事に演じた怪作。非…

百円の恋

主人公は32歳の引きこもり。見るからに何のとりえも魅力もなさそうな女。離婚して実家に帰ってきた妹と険悪な関係になったために引きこもっていた家を追い出されてしまった。やむなく100円ショップでアルバイトを始めるが、やる気のなさを全身からみなぎらせ…

チチを撮りに

二十歳のフリーターと高校生の姉妹には家を出ていって新しい家族を作った父がいる。既に別れて14年が経つので、妹コハルには父の記憶がほとんどない。ある日父(元夫)危篤の報を受けた父の元妻である母は、娘たちに「お父さんのお見舞いに行きなさい。そし…

ノクターナル・アニマルズ

巻頭いきなりの全裸肥満女のダンスに度肝を抜かれる。この瞬間にこの映画の禍々しさが象徴されていて、これから始まる映画の重苦しさと苦みを観客に覚悟させる。さあ、始まるわよこれから修羅場が! しかし実際には修羅場ではなく、劇中劇が始まるのである。…

30年後の同窓会

ベトナム戦争の戦友3人が30年後の2003年に再会する。そのきっかけは、かつての三人組の一人ドクが「2日前にイラク戦争で戦死した息子の遺体を引き取ってポーツマスまで連れて帰る。一緒に来ないか」とサルを誘ったことだ。サルが経営する酒場にいきなり現れ…

南極料理人

食べてる場面と遊んでる場面ばかりなので、この人たちなにしに南極まで行ってるの?と疑われてしまうじゃないの、と余計な心配をしてしまった。しかし、それだけに美味しそうな場面が素晴らしくて、食後にこの映画を観たにも関わらず、お腹が空いてたまらな…

永い言い訳

本日から連休が終わるまでの間に、今年見た映画の感想を書いていく。さて何本書けるでしょうか~。10連休と言いながら実は当エル・ライブラリーは3回開館し、それ以外にも職員は2日出勤するので、実質飛び石5連休。それでも十分な休養になるので、その間に…