吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

南極料理人

 

食べてる場面と遊んでる場面ばかりなので、この人たちなにしに南極まで行ってるの?と疑われてしまうじゃないの、と余計な心配をしてしまった。しかし、それだけに美味しそうな場面が素晴らしくて、食後にこの映画を観たにも関わらず、お腹が空いてたまらなかった。こんなに美味しい料理が食べられるなら、わたしも3年ぐらい南極に行ってもいいかな、と思ってしまったよ(←おまえが行ってできることは何もない。税金無駄遣い)。 

 実際に南極探検隊の料理人だった西村の原作があるため、かなり状況描写が細かくて楽しい。とりわけキッチンの様子が興味深い。広さもたっぷりあるし、食材は生ものこそないけれど、素晴らしい高級物を使っているし。確かに食べることしか楽しみがないのだから、そこは少々贅沢でもいいよね。

 登場人物それぞれが個性的でたまらなく愛おしく可笑しい。「僕の身体はラーメンでできているんだ」って?!(爆

 続編ができてもいいくらいに面白かった。

 本作は労働映画には違いないのだけれど、料理人以外は労働しているようには見えないという笑える難点がある。(Amazonプライムビデオ)

2009 125分、日本

監督:沖田修一、 原作:西村淳『面白南極料理人』『面白南極料理人 笑う食卓』、脚本:沖田修一、  音楽:阿部義晴

出演:堺雅人生瀬勝久、きたろう、高良健吾豊原功補西田尚美古舘寛治、小浜正寛、黒田大輔嶋田久作