吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ピンクパンサー

気分が沈んでいるときはなるべくおばかな映画を観て笑うのがいい。何も考えずにただわはははっと笑える映画。そう、本作のような。実にばかばかしい。笑える。何箇所も声を出して笑わせてもらった。 フランス人なのに妙な発音で英語の台詞をしゃべったりする…

ブラックブック

ハリウッドにやって来てやたら娯楽作ばかり作っていると思ったヴァーホーヴェンだけれど、オランダではこういう硬派のドラマも作ります。 映画はとてもよくできていて、二時間半をまったく飽きさせなかった。ただし、「犯人当て」の謎に力を入れすぎて、ナチ…

プラダを着た悪魔

超有名なファッション雑誌のカリスマ編集長相手に奮闘する新米アシスタント嬢、というサクセスもののコメディということから言えば定番のような構造の物語。 原作は『VOGUE』編集長のアシスタントを経験したローレン・ワイズバーガーが書いた小説。ヴォーグ…

サン・ジャックへの道

これは面白かった! 目が覚めるコメディでございます。巡礼の旅だけあって、罰当たりなシーンのない、安心映画なので家族揃って見られます。と言いたいけど裸体が二度出てきます、為念。四国のお遍路さんみたいなのがキリスト教徒の世界で今でも生きているの…

嵐を呼ぶ十八人

社外工、造船スト、タコ師(手配師)、といった言葉に時代を感じさせる意外な掘り出し物だった。といっても、退屈な人にはものすごく退屈なお話。 大阪から呉の造船所に集団就職してきたチンピラな若者18人と、彼らを管理する若き舎監との軋轢やふれあいを描…

ココシリ

ココシリとはチベットの言葉で「美しい山」「美しい女性」という意味だそうだ。チベットの奥地に生息するチベットカモシカが絶滅の危機に瀕している。これはカモシカを守るために密猟者を逮捕する仕事に<ボランティアで>就いている男達の過酷な物語。実話…

デジャヴ

デンゼル・ワシントン、かっこいい! 彼が出てくるだけで「うん、大丈夫、きっとなんとかしてくれる!」と思えるところがすごいです。 それにしてもこういうタイムパラドックスね、うーん。面白かった。 予告編を見たときに想像した内容とずいぶん違うので最…

麦の穂をゆらす風

アイルランドがイギリスから「独立」したのは1922年。これはイギリス王国の自治領としての独立だった。完全独立は1949年に果たされるが、今なおアイルランド島北部はイギリス領土だ。という程度の知識しかわたしにはない。現代史専攻の人間としてはお粗末極…

トゥモロー・ワールド

時は2027年、所はイギリス。既に人類は生殖能力を失って18年。そして今日、人類で最も若い18歳の少年が死んだというニュースが全世界に流れ、人々は深い悲しみに包まれる。 という、巻頭の場面は、現実によくニュース番組で流されるニュースの画面にそっくり…

パリ、ジュテーム

これはとても楽しい! 18人の監督が5分ずつで撮ったオムニバス。とても全作品にコメントできないし、こんな短い作品を解説してしまうとかえって面白くない。 映画館に行く途中、春爛漫の光を浴びて少々汗ばみながら歩いた。大阪駅北側はいま、広大な空き地に…

パフューム ある人殺しの物語

嗅覚の天才児ジャンにとって匂いこそが神。彼の神はただ一人、匂いだった。追い求める匂いを得るために彼は身も心も投げ出し、禁断の匂いをついに手に入れたとき、ついに彼こそが神となった。 これはたった一人の神に魅入られ神のために全てを捧げ、神のため…

恋人たちの食卓

ありえないぐらい見事な手さばきで黙々と調理する料理人の手元が映し出される巻頭、観客の目は画面に釘付けになるだろう。本作は、お腹が空いているときならたまらない垂涎もののオンパレードなのだ。必ず食事を済ませてから見ましょうね。 大きな家の中で一…

今宵、フィッツジェラルド劇場で

こんなに楽しい作品を遺してくれたアルトマンに感謝。即興的な演出と軽やかなカメラワークが楽しい逸品です。最初のうちこそしゃべくりすぎでちょっとしんどかったけど、途中からはぐっとのめり込みました。 今夜が最後の公開録音日となったフィッツジェラル…

ダーウィンの悪夢

世界第2位の大きさを誇るアフリカ中東部のヴィクトリア湖。そこで起きている生態系の破壊と人間生活の破壊を記録した驚くべきドキュメンタリー。 50年前、ちょっとした気まぐれでヴィクトリア湖に放流された「ナイルパーチ」という大型の肉食魚が、あっとい…

明日へのチケット

カンヌ映画祭パルムドール組3人の監督によるオムニバス。それぞれの監督の個性が際立ってい て、面白いオムニバスになっている。しかも、それぞれが単独の話ではなく、共同編集による長編という形をとっているため、物語としてはちゃんとつながっているとこ…

ルワンダの涙

「ラストキング・オブ・スコットランド」に続いて「アフリカもの」です。 言葉をなくす映画。劇場内は水を打ったように静まりかえった。「ホテル・ルワンダ」の甘さもドラマも許さない作品だ。「ホテル・ルワンダ」よりも「北」の視点がよりいっそうはっきり…

ラストキング・オブ・スコットランド

やっぱり人喰いアミンは怖いです。などというと悪しきオリエンタリズムというそしりを免れないけど… なんでウガンダのアミンがスコットランドの王様なの?と誰もがいぶかしむでしょう、そう、彼は「スコットランドの最後の王」を自認していたスコットランド…

サラバンド

すごい映画。心が痛い。痛くて見ていられないけれど、のめり込んでしまう。大音響のブルックナー9番には大感動。家に帰るなり自室でブルックナーに耽溺した。 別れた夫が隠遁生活を送る山奥の別荘を訪ねたマリアンは、かつての夫ヨハンとは30年ぶりの再会だ…

墨攻

まったく期待せずに見にいったのに、思いの外面白く、得した気分。中身スカスカの単なる戦争アクションものだと高をくくっていたというのに、きちんとストーリーで魅せる映画だったのだ。それにアンディ・ラウのカッコイイこと! これまでアンディ・ラウには…