吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

砕け散るところを見せてあげる

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 高校生の純愛初恋物語かと思わせておいて、途中から突然不穏な殺人事件へと展開するという非常に恐ろしい作品。おまけにUFOまで登場する。といってSFものではない。 原作は小説だろうと思わせる映画であり、小説なら誤魔化せる表現が映画だと見えてしまう、という部分があり、逆に映画だからこそ表現できる時空を超えた描写があり、最後まで興味深く見ていた。

 学校中でいじめられていた1年生女子を偶然にも助けた正義感あふれる3年男子が主人公。二人の懐かしいような恥ずかしいような微笑ましい触れ合いが描かれていくのだが、心が徐々に温まってくるような前半の展開が女子高生の父親の登場あたりから一気に雰囲気が変わり、恐るべき犯罪へと二人が巻き込まれていく。

 ヒーローになりたかった男子と、ヒーローに救われた女子の恋愛なのだが、最後はそのヒーローというのが実に孤独で結局のところ見返りがないのではと思わせる。展開がやや不自然なのでこれは原作本を読まないと理解できないのでは。(Amazonプライムビデオ)

2020
日本  Color  127分
監督:SABU
エグゼクティブプロデューサー:EXILE HIRO
原作:竹宮ゆゆこ
脚本:SABU
撮影:江崎朋生
音楽:松本淳一
出演:中川大志石井杏奈井之脇海、清原果耶、松井愛莉、矢田亜希子木野花原田知世堤真一