2016-01-01から1年間の記事一覧
こんないい映画が大阪ではたった2館でひっそりと上映されているなんて。ネトウヨのせいで、もうちょっとで公開も危うかったなんて。ネット上では厳しい感想も多く見受けたが、映画は物語であって事実をそのまま描くものではない。「事実」「史実」と細部が異…
登山は得意ではないのに、山の映画は大好きというわたしにとっては、この映画ぐらいの感じでちょうどいいかもしれない。というのも、「エベレスト 3D」に比べれれば遭難場面の描写が淡々としていて、むしろほっとする感じだ。 これまでいくつも見た山岳映画…
これほど手に汗握るスポーツアクション映画は初めてかも。CGなし、というのが驚きである。いや実に面白かった。 で、ストーリーはといえば、主人公エドガーはFBIの潜入捜査官で、悪の組織「オザキ8」の実行集団に参入し、前人未到の山岳アクションに取り組む…
これほど手に汗握り、足が気持ち悪くなった映画は初めて。おかげで途中で靴下を脱いで足を座席に上げていたよ。とてもまともに見ていられません、高いところが怖い人間にはこれほど恐怖をそそる映画はない。 この映画の内容についてはドキュメンタリー映画「…
機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第9弾。 60歳を超えた主人公ニリ・タルは本作の監督でもある。自身の恋人探しを記録するドキュメンタリーを思いついたニリは…
迫りくる原稿の締め切りから現実逃避するかのように、映画館へダッシュして見た作品。 スティーブ・ジョブズの伝記映画は2013年に作られているが、あまり評判がよくない。で、本作マイケル・ファスベンダー主演のは、脚本がよくできていて、さらに演出もスタ…
1週間前にこの映画を観て以来、ドナ・サマーの"Hot Stuff" が脳内で無限ループしている。 原題は「火星の人」。ネットで公開され、あっという間に大ヒットした小説を原作とする。 火星にたった一人取り残されたマークの視点でみれば、この物語は「ロビンソン…
機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第8弾。 映画は役者二人の年齢が高くてちょっと渋めに決めすぎたきらいがある。中井貴一が嫁をもらうシーンが巻頭のほうにあ…
機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第7弾。 日本で展覧会が開かれれば来場者が殺到する画家の筆頭は、ルノワールとゴッホ(たぶん)。ルノワール最晩年のミュー…
機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第7弾。 原作が淡々としたドキュメンタリーだったのに対して、映像の力というのは恐るべし、残虐なシーンもそのままリアルに…
機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第7弾。 ホラー苦手なわたしにも充分楽しめる、ゾンビ系ホラー・パニック感染映画。ブラピことブラッド・ピットが製作・主演…
機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第6弾。 これは既視感の強い作品だが、それなりに面白く見られたのは、アクションシーンがよかったからか、それとも近未来の…
機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第5弾。 2013月4月から高年齢者雇用安定法が改正され、事実上65歳まで定年が延長されることとなったので、シュワちゃん(65…
「機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第4弾。 この映画は2013年の3月に、学生時代からの友人と女三人「復興支援福島物見遊山2泊の旅」に出かけることになった時…
「機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第3弾。 小津安二郎の「東京物語」へのオマージュをささげた山田洋次監督作。オマージュというよりはリメイクと言って差し…
1か月ぐらい前に見た映画なので、既に終了している映画館が多い模様だが、まだ大阪でも上映しているみたいなので、怖いもの見たさのびびんちょがりは今すぐgo! 本作、ものすごく怖いものだから、途中で見るのを止めようかと思った。音楽で驚かすタイプの映画…
「機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」第2弾。 2010年11月、「多摩川のロビンソンクルーソー」と呼ばれる路上生活者の鈴木さんを師匠として、坂口のゼロ円ハウス…
「機関紙編集者クラブ『編集サービス』紙に掲載した映画評のうち、自分のブログにアップしていなかった作品をさらえていくシリーズ」(長い!)第1弾は、これ。 さすがはスサンネ・ビア監督。「事件」の善悪判断を鋭く観客に迫ってくる。 生まれて間もない乳…
わたしにとっては去年いちばんの衝撃作だった。「あの日の声をさがして」に続いて重い作品を見たために、心がずっしりと疲れを背負ってしまった。とても他人事とは思えずに見ていた。もちろん仕事の質がまったく違うとはいえ、家族を犠牲にしているという事…
去年のマイ・ベスト作品の一つ。 声を失った少年が、言葉の通じない女性との交流を通して心を開いていく物語。と書けばお涙頂戴の感動物語のように思うが、そんな生ぬるい話ではなかった。 第2次チェチェン戦争下の1999年10月。両親をロシア兵に殺された9歳…
脱力できる映画を観たい気分。というわけで、老人やくざのコメディを選んだ。去年我が家のS次郎(22歳)が映画館へ見に行って「面白い」と喜んでいた北野作品だ。確かに面白い。藤竜也の女装が最高傑作。思わず大声で笑ってしまった。 で、子分が七人? 六人…
スパイものの割にはアクションもなく派手なシーンはほとんどない。ひたすら交渉している場面なので途中で眠くなり、一部で記憶が飛んでいるが、全体としてはスピルバーグらしいヒューマニズムあふれる作品となっていて、なかなか良い。この「ヒューマニズム…
日本人エライ映画の第2弾。「海難1890」が情緒に訴える作品だったのに比べると、こちらは歴史の勉強になる点がよい。現代史のおさらいになるし、あとで歴史地図を見てリトアニアやソ連、ドイツの地勢を確かめるとなおよくわかる。 杉原千畝がリトアニア領事…
日本人偉い! という映画が立て続けに公開されているので、どちらも見たいと思って、まずはこれ。紀伊大島にあるトルコ記念館を何年も前に訪ねたことがあるので、エルトゥールル号遭難事件のことは知っていたが、まさか映画が作られるとは思わなかった。エル…
戦火に芽生えたドイツ人将校とフランス女性とのはかない愛。互いに配偶者のある身で、どうしようもなく惹かれあった極上のメロドラマ。 原作小説を書いたイレーネ・ネミロフスキーは1942年、アウシュヴィッツで亡くなった。遺された膨大な手稿を娘たちは母の…
これは「黄金のアデーレ」とカップリングで見たい映画。 ナチスが強奪した美術品数百万点を取り返すべくアメリカからヨーロッパに派遣された中高年部隊「モニュメンツ・メン」の奮闘物語。 1944年7月、ノルマンディに上陸したモニュメンツ・メンのメンバーは…
今年が戦後70年という節目に当たる年だからだろう、この手の「ナチスの犯罪を糾弾する映画」が何作も公開されている。その中でも群を抜いてこの作品は面白い。それは、この映画が現在から過去を照射するものであるからだ。映画の中の時制が現在(といっても1…
これは楽しい! おんなじ熊もんでも、TEDみたいな下品なのよりずっとよい。しかもこの映画はアーカイブズ映画かつミュージアム映画なのだ。 同じ熊でもTEDは続編までできてしまって、可愛い顔に似合わない下ネタの下品度がアップするという眉を顰めるものに…
謹賀新年。 去年と同じく、年末年始は原稿の締め切りに追われているため、大掃除もおせち作りもなにもしていない。で、映画ベスト10を選出している時間もないのだけれど、ちょっと息抜きに。 2015年に見た映画の中から。試写会分も含むので、公開が2016年に…