機械と人間との争いが極限に達した近未来を舞台にした物語。こういう基本設定の映画はこれまでいくらでもあったから、どれほど新味を出せるか、興味津々である。ストーリーとしてはもはや新味を出すのは難しいかもしれない。そうなると、プロダクションデザインといった美術や特撮(今やCG)で瞠目すべきところを見せてほしいところ。
以下、思いつくままに本作の感想を。
・編集ミスと思われるカットあり。主人公の腕が無くなったりついていたり。連続したシーンのはずなのに、つなぎ方をまちがえた?
・音楽はよかった。古いポップミュージックが多用されているし、なんとレコードがかかっている場面まである。主題曲はハンス・ジマーの重厚な音楽が雰囲気を出している。
・最後は涙涙涙。こういう場面はこれまでもよく見たねえ。
・主演俳優はますますデンゼル・ワシントンに似てきた。顔だけじゃなくて声も似ている。親に似て演技力もあるし、いい役者になるのでは。ただし、名前を覚えられない(汗)。
・プロダクションデザインが素晴らしい。これはアカデミー賞をとりそう。
・今起きている、イスラエルとハマスの戦争を想起させるような展開だ。アジアではAIと共生する人々が多数で、アメリカではAIは放逐の対象となっており、武力でAIを殲滅しようとしている。これはアメリカ帝国主義の強圧強権武力第一主義への批判的映画ともみることができるが、そういう見方をする観客がそれほど多いとも思えない。
2023
THE CREATOR
アメリカ Color 133分
監督 :ギャレス・エドワーズ
製作:ギャレス・エドワーズ、キリ・ハートほか
脚本:ギャレス・エドワーズ、クリス・ワイツ
撮影:グレイグ・フレイザー
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン ジョシュア
ジェンマ・チャン マヤ
渡辺謙 ハルン
スタージル・シンプソン ドリュー
マデリン・ユナ・ヴォイルズ アルフィー
アリソン・ジャネイ ハウエル