8月に映画館で鑑賞。
これ、“モンスター・バース”シリーズの第4弾だそうな。どうりで、ほとんど何の説明もなくいきなりいろんな話が始まるから、「モナーク」って何だったっけ? なんでいきなり芹沢博士が出てくるんだ? まあ、ゴジラに芹沢博士はつきものだが。とか思っていた謎が解けた。大した謎ではないが。
というわけで、本作は前作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 」の3年後という設定である。だから、このシリーズを見ていないとさっぱりわからないという仕様になっている。このシリーズは全部見ているはずなのだが、ストーリーをほぼ覚えていないため、設定の細かいところがわからない。登場人物の、特に子役が大きくなっているから、見ているこちらは一層混乱する。いちいち前作を復習しないとわけがわからないというのも困りものではあるが、こちらの記憶力が保っていられないのがいかんのだろうか。そうだろうなぁ…(悲)。
で、3年間姿を現さなかったゴジラがなぜか突然海の中から出てきて、フロリダにある大企業を襲う。その理由はやがて明らかになるのだが、この企業が悪だくみをしている、ということで。ストーリーにはさして新味がないのだが、とにかくゴジラとコングの格闘が最大の見せ場! もうこの重量感がたまりません! いちいち見栄を切って取っ組み合いをするところとか、襲い掛かる前に思い切り「溜め」を作って大きく息を吸ってドッカーンとぶちかますタイミングとか、子どものころに見たプロレスを思い出した。技がレトロな感じがするし、歌舞伎などの伝統芸能ぽいところが本作の見せ場でありますな。
他にも、細部にいろいろ見どころやツッコミどころがあり、全然退屈しない作品である。世界的大企業が簡単にハッキングされるとかありえんやろ! 重力が反転してるのになんで身体がバラバラにならないんですか?! その前に、超重力でつぶれるはずちゃうのん! え、重力に耐えるポッド? そんな都合のいい乗り物があるんやったらもっと科学は発展してるんちゃうの。いやあ、地球の空洞って地底の楽園やってんねぇ。などなどと楽しみは尽きない特盛定食で腹いっぱい。
香港の街がこれ以上ないぐらいに破壊されるのがとても心が痛む。香港の人たちからクレームが出ないのか心配になった。破壊王ゴジラではあるが、コングと最後は心を交わしていくシーンがあって、これが実に泣ける。この2頭がそのでかい図体と顔を使ってしっかり感情表現をしているではないか!
かくしてゴジラとコングの演技力に感動した一作であった。小栗旬が白目を剥くのはいかがか(笑)。そうそう、 音楽も良かった。日本のオリジナルに敬意を払った曲風である。
2021
GODZILLA VS. KONG
アメリカ Color 114分
監督:アダム・ウィンガード
脚本:エリック・ピアソン、マックス・ボレンスタイン
撮影:ベン・セレシン
音楽:トム・ホルケンボルフ
出演:アレキサンダー・スカルスガルド、ミリー・ボビー・ブラウン、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、小栗旬、エイサ・ゴンサレス