ついに終結、全9話が終わった。わたしはラストシーンで思わず涙してしまった。レイの最後のセリフに旋律を覚えて、このサーガの終わりに感動に打ち震えた。そして、続く長い長いエンドクレジットをあの壮大なテーマ曲とともに堪能した最後には劇場で拍手を送った。しかし、日本の客はいかんなぁ。アメリカならスタンディングオベーションするところだろうに! なんで劇場で拍手した人がわたし一人なの。
42年かけて全話を映画館で見た、もちろんデジタルリマスター版の4,5,6話も劇場で見ましたよ! おまけにDVDも全部持ってるからね! 感動するしかない、わたしの青春のSWである。
しかしそれほど好きなシリーズなのにどういうわけか細部はすっかり忘れている。困ったもんだ。特に最近の3部作はあまりいい印象がない。やはり4,5,6がよかったなあ。いや、1,2,3の悲恋も捨てがたい。
で、本作第9話はいよいよレイの出生の秘密が明かされる。死んだはずのキャリー・フィッシャーはレイア・オーガナ将軍として未公開映像とCGで蘇る。いまどきは何でもできるというのが驚くべきだ。
本作で感動したのはアナクロニズムの機械の数々。コンピュータにデータを移し替えるために差し込むのはまさかの8トラックカセットか(笑)? あるいは長くて太い金属チューブ。ロボットたちもブリキの世界観漂うのがいい。もうたまらんわ、このノスタルジー。
そしてこれまでのシリーズのすべてをミックスしたような造りになっているから、今までのさまざまなシーンが目に浮かぶ。そして目に浮かぶだけではなくて実際に過去作を挿入したり、登場人物を復活させることによって古くからのファンへのサービスも怠りない。
ロケ地についてもよくぞ選んだと思わる異世界的な風景の数々に陶酔した。シリーズ第1部の第4話、第5話に登場してくるさまざまなクリーチャーを彷彿とさせるキャラクターも可愛い。ストーリーのつじつまが合わないところなどはほぼ気にならず、そういう細部に宿った神に感謝する映画である。
ただし、長い長い時間をかけてシリーズの性格が変わってきていることも確かだ。特にディズニー製作になってからだろうか、大人向けの政治力学の話がすっかり表に出なくなった。マキャベリ的な権力の物語がわかりやすい子供向けのおとぎ話にすり替わった感がある。
ダースベーダーの孫であるカイロ・レンが今作ではどのように姿を現すのか、そしてレイとの対決の行方は?! もちろんシリーズ第6話をなぞっているのだから、結末はわかっている。わかっていても感動するのだ!
ついに物語は第4話へと戻る。ラストのシークウェンスはスターウォーズ史上に残る名場面だった。感涙しかない。
脚本:J・J・エイブラムス、クリス・テリオ
撮影:ダニエル・ミンデル
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:デイジー・リドリー、アダム・ドライヴァー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムズ、ルピタ・ニョンゴ、ハリソン・フォード