本作は前シリーズのときより丁寧な作り。雰囲気もぐっと落ち着いている。主人公ピーターがスパイダーマンになる過程を丁寧に描いてある点に好感が持てる。
しかし、あまり3Dの実感がない。わたしにとって「飛び出す映像」というのはアイマックスシアターだったりするので、あのイメージがいつまでも離れない。最近の3Dは飛び出し感に乏しいため、面白くない。もっとも、2時間以上の映画でやたらいろんなものが飛び出して来られたら疲れて見ていられないからしょうがないのかも。わざわざ3D上映する意味が不明だし、料金が高くなる分わたしたちには痛いので、次回作からは3Dで見るのは止めよう。
今回のスパイダーマンは恋人にすぐ正体を明らかにしてしまうし、なんのためにマスクを被っているのかと思わせることがしばしば起きる。サム・ライミ版のピーターは落ちこぼれだったが、今度のピーターは学業優秀である。恋人も美人で頭がいい。マーク・ウェブ監督の『(500)日のサマー』は斬新なラブストーリーでわたしのお気に入り作であり、今度のスパイダーマンも前半、落ち着きがあってとてもいい感じだ。これは主役がアンドリュー・ガーフィールドというナイーブな雰囲気を漂わせる青年に交代した効果もあると思う。
しかし後半、いよいよスパイダーマンのアクションが全開し、トカゲ男が暴れ始めると、やっぱり怪獣映画になってしまうのだな。こうなると大人には退屈。というわけで、やっぱり後半は寝てました。
THE AMAZING SPIDER-MAN
136分、アメリカ、2012
監督: マーク・ウェブ、製作: ローラ・ジスキンほか、製作総指揮: スタン・リーほか、原作: スタン・リー、スティーヴ・ディッコ、原案: ジェームズ・ヴァンダービルト、脚本: ジェームズ・ヴァンダービルト、アルヴィン・サージェント、スティーヴ・クローヴス、音楽: ジェームズ・ホーナー
出演: アンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーン、リス・エヴァンス、デニス・リアリー、キャンベル・スコット、マーティン・シーン、サリー・フィールド