吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

瞳の奥の秘密

瞳の奥の秘密、それは誰の瞳なのか? そして、「秘密」とは? 25年前の未解決殺人事件を小説にしようと思い立った元刑事裁判所職員のベンハミンが、事件について綴るうちに、かつて言葉にすることのできなかった<愛>を取り戻そうとする物語。かつての上司…

特攻野郎Aチーム THE MOVIE

荒唐無稽なアクション映画。暑気払いにはぴったり。こういう映画をまともにああだこうだと論評するのも馬鹿らしい。新体操みたいなアクロバット飛行するヘリコプターや空飛ぶ戦車や港のコンテナのドミノ倒しやビルの壁を伝い落ちながらの銃撃戦や、とにかく…

ゾンビランド

全米歴代ナンバー1ヒットのゾンビ映画という惹句とパープルローズさんの「めっちゃ面白い」という言葉にそそのかされて鑑賞。でも、いくら平日の朝だからって、観客はわずか5人。あんまりでしょ〜。しかも、その次に上映する「瞳の奥の秘密」(満席)を待っ…

きな子 見習い警察犬の物語

きなことあんこ、迷コンビが織り成す犬と人間の成長物語。 舞台は香川県。登場するのは丸亀城とか三豊とか金比羅さんとか琴参バスとか。讃岐うどんもきっちり登場。映画を見終わった後、猛烈にうどんが食べたくなったのでフードコートを覗きにいったら、なん…

やわらかい手

こういう話には素直に感動してしまいます! と、書きかけてちょっと調べてみたら… ええええええ〜〜っ、なんですってぇ゙〜っ! このおばあちゃんって、「あの胸にもう一度」のあの超セクシーなあの彼女なんですかぁ〜っ! ショックショックショック。なんで…

帰らない日々

地味だけれど、なかなかの力作。 息子をひき逃げされた夫婦と、その犯人との物語。ひき逃げ犯がなかなか見つからないことに業を煮やした被害者が雇った弁護士はなんと、ひき逃げ犯その人だった。そんな偶然が! と思うけれど、海辺の小さな町ではそんなこと…

ロゼッタ

初期のダルデンヌ兄弟の作品だが、既に後の「息子のまなざし」で使った手持ち接写のカメラの使い方は同じだ。BGMもまったくない。「息子のまなざし」ほどには極端ではないが、被写体まで20センチほどしかないようなアップを多用するドキュメンタリータッチの…

小さな命が呼ぶとき

筋力が徐々に弱り、やがて亡くなってしまう難病「ポンペ病」に罹ったわが子を救うため、新薬開発の製薬会社を立ち上げた親の物語。主人公ジョン・クラウリー一家は実在し、クラウリーは1990年代後半から今に至るまで、ポンペ病の治療薬開発のため奮闘中とい…

男と女

「午前十時の映画祭、何度見てもすごい50本」。長男Y太郎(某芸術大学映像学科1年)と親子で2本立て鑑賞の1本目。 再見。2年前に初めてDVDを見て大感激。興奮してレビューを書いたものだが、今回は落ち着いて鑑賞することができた。何しろすでにサントラ…

ボローニャの夕暮れ

連続3本鑑賞の3本目。この日の3本はどれも「そこそこ」という印象。特別に感動作もなかったかわりに「外れ」というのもない。ただ、3本ともかなり期待値が高かったので、そういう意味では残念。どれもこれもDVD鑑賞で十分ではないか。いや、この手の映画…

闇の列車、光の旅

この作品は世評が高いようだ。確かに力作なのだが、わたしは好きになれない。南米のスラムや移民を描いても何も未来が開けるようには見えないのだ。誤解を恐れず敢えて言えば、移民やスラムの問題はもういい。これらを映画で見せられることにはもう「飽きた…

華麗なるアリバイ

アガサ・クリスティの原作を現代フランスに置き換えて。 郊外にある上院議員の豪邸に親戚や知人が集まったある週末、1人が殺される。やがて第2の殺人事件が。事件の背後には精神科医とその妻と愛人たちをめぐる愛憎が渦巻いていた…。 渋い中年精神科医はさ…

ソルト

ダイハードな女、イヴリン・ソルト。 映画はとっても面白くて、楽しめた。それはともかくとして、免許とりたて2日目のY太郎の運転が怖かった。往路はわたしが運転し、復路をYに運転させたが、ひやひやものであり。S次郎も一緒に乗っていて、何かあればこれ…

マチュカ 〜僕らと革命〜

アジェンデ政権下のチリを少年の視点で描く。 主人公ゴンザロは金持ちのぼんぼん。いかにも育ちがよくひ弱そうな彼は、学校ではいじめられっ子だ。そこにスラムからやってきた、貧しい子ども達。社会主義政権の政策により、金持ち学校にもスラムの少年達が通…

キング 罪の王

というわけで、「告白」つながりでこの映画についても言及。 復讐、罪、赦し、というテーマについて考えるならこの作品を措いてはおけないだろう。しかし、これほど後味の悪いものもそうはない。そういう意味で、テーマは100点。つまり、テーマについては大…

告白

3本立て鑑賞の最後は「告白」。ふつう、3本目は疲れて寝てしまうものだが、この作品は寝ていられるような気持ちのよいものではなかった。鑑賞後の気分は「キング 罪の王」に似ている。罪と罰、復讐と更正。それはどのような場合に成り立つのか? その問い…

トイ・ストーリー3 日本語吹替版

3Dは頭が痛くなるので2Dで。このシリーズは1995年の第1作が世界初のフルCGアニメとして一世を風靡した。もちろんわたしは劇場で見てたまげたものだ。その後、セルビデオを買って子どもたちと何度も何度も何度も繰り返し見ても飽きなかった。それほど高品質…

太陽がいっぱい

午前十時の映画祭にて。 何十年ぶりかで再見。以前はもっと話がサクサク進むような気がしていたのに、今回見るとずいぶんまどろっこしくて話の展開が遅いのでちょっとイラついた。最近のせわしない映画に慣れてしまったためだろう。だからといってわたしは話…

ちょんまげぷりん

江戸末期の若き旗本が現代にタイムスリップし、行く当てもなくシングルマザーの家に居候。タダ飯食いは申し訳ないと「奥向きのことは拙者がいたしますゆえ」と申し出る。これが意外やこの若武者は、なんとお菓子作りの天才を発揮し始めるではないか! ……とい…

必死剣 鳥刺し

映画介護。介護映画ではなく。つまり、映画好きの老人を映画館に連れて行くという、まあ一種のボランティアである。でも相手が親ならボランティアではなく親孝行と言う。 映画の前に両親、わたし、長男Y太郎の4人で食事。この4人で食事なんて17年ぶりかな…