低予算映画きわまれり。とバカにしてはいけない。まあ、チープなのは否定しがたいが、なかなか楽しくて退屈しなかった。よきかな。アホらしいコメディなんだが、その設定のすべてがあまりにもチープなので笑うしかないところがいい。そして、そのチープさを補ってあまりある役者の魅力や演技力に感動した。
というわけで、感動したのかあきれたのかよくわからない映画だった。
テーマは「家族の絆」なのだが、そのためにわざわざ土星人を登場させるあたりがうざったい。でもその土星人が中村倫也っていうのがいいじゃないですか。最近わたしの中では中村倫也の株価が上がっているので、とてもよかった。なんで中村倫也がいいと思ったのかよくわからないのだが、あの独特の脱力したしゃべりかたが気にいったのかな。もしくはあの声かもしれない。
ほかには、伊藤沙莉がとてもよかった。役柄のキャラクターのおかげかもしれないが、彼女もしっかり自然体で(でも演技に違いない)、土星人の妹の地球人(ややこしい)の素朴で粗野なかつ優しいキャラを好感度高く演じていた。
というわけで、家族の絆を斜め下から描いたあほくさい映画として、今年の映画の中では異色の作品として記憶に残る。(Amazonプライムビデオ)
2023
日本 Color 117分
監督:飯塚健
製作:勝股英夫ほか
脚本:飯塚健
撮影:相馬大輔
音楽:海田庄吾
出演:中村倫也、伊藤沙莉、日村勇紀、柄本時生、関めぐみ、千野珠琴