東京出張中に見た7作品の一つ。映画館で声をあげてこんなに笑ったのは久しぶりだよ。この続編を先に見たときには、前編を見なくてもだいたいわかるからえっか、と思ったが、やっぱり前作を見てないと面白み半減だわ! そうか、このパターンを踏襲するのね、とか、ここでこういう動きをするから次回作につながるギャグになるのか、とかいろいろ今回学んだことがあったので、ここは一挙三部作を上映してほしいもんです。今回見たのも特別上映だったみたいで、パンフレットも作成されていなかった。実に残念である。プレスシートを300円も出して買ってしまったよ、試写に行けばタダでもらえるのに!
まあそれはともかく、今どきの研究者の悲惨な状況がよく描かれていて涙がちょちょぎれる話でした。で、そもそも「いつだってやめられる」の意味を取り違えていたわ。この作品でそのセリフを主人公が言うのには、「非合法すれすれのドラッグを製造販売する仕事なんて、いつだってやめられる」という意味だったのだ。
この映画がイタリアで大ヒットしたのはかわいそうなインテリたちへの同情心ゆえではなく、インテリを嘲笑う人々が留飲を下げるために見に来ていたというような意見をネットで読んだが、そうなると製作者の意図と違う結果であり、悲しいことだ。でもこの映画の面白さはインテリ自虐ネタでもあるわけだし、その点では狙い通りと言えなくもない。
というわけで、金儲けのために犯罪に走る失業研究者たちの悲惨な生活ぶりを見ながら笑える社会派コメディでありました。日本ではたぶん第三作が公開されるはずなので、そのときにはぜひ三部作一挙上映してほしい。
SMETTO QUANDO VOGLIO
105分、イタリア、2014
監督:シドニー・シビリア