究極の脱力系コメディ。よくぞこんな作品を映画にしたもんだ。これ、お金払って劇場で見てたら怒るよね、ほんま。でも面白い。音楽がタンゴ、というところも人を食ったみたいで良い。
高校生が二人、暇を持て余して放課後の河原に座ってああでもないこうでもない、とどうでもいい話を延々繰り返す。それだけの話。製作費はほとんどかかっていない。ロケ地も河原からほとんど変化しない。もう映画と言うよりは舞台劇かテレビドラマの世界。上映時間も短いしね。芝居と言うよりもコントみたいな漫才みたいな。ほとんどが「間(ま)」のとり方の絶妙さで成り立っている会話劇だ。大阪弁に親しみのない人にはちょっとしんどいかもしれない。
この年頃の男の子たちの生態がよくわかって、また同じ学校に通いながらも成績格差や貧富の格差が歴然とあるという意外性も面白く、どうでもいい会話から家庭問題が見えてくる脚本もなかなかうまい。なによりも主役二人がほんとうにうまい。菅田将暉がうちのY太郎の高校生の頃にそっくりなので笑ってしまった。個人的にはとても受けたので、高得点。主人公二人の苗字がセトとウツミなんだけど、二人合わせて瀬戸内海だってこと、今頃気づいたよ。(U-NEXT)
75分、日本、2016
監督:大森立嗣、製作:橋本太郎、原作:此元和津也、脚色:宮崎大、大森立嗣、音楽:平本正宏
出演:池松壮亮、菅田将暉、中条あやみ、鈴木卓爾、成田瑛基、岡山天音