台湾映画の「1秒先の彼女」のリメイク。オリジナル主人公カップルの男女をひっくり返して舞台を日本に移してきた、ということだが、オリジナルをすっかり忘れているので、割と新鮮な目で見ることができた。
物語の舞台が日本というだけではなく京都になったので、懐かしい風景やら地名が登場して、とても嬉しい。主役の岡田将生の京都弁はかなり頑張っているほうだが、やっぱり微妙な感じがして気色悪い部分もある。
さて物語は。主人公は何事も他人より1秒早い郵便局員、30歳彼女無しのイケメン、皇一(すめらぎ はじめ)。顔がいいからもてそうなのに(現にファンがたくさん付いている)、なぜか恋人ができない彼。その理由は彼が万事スピードが速すぎることにある。しかしそれでもやっとの思いで彼女ができそうになり、デートの約束もした! のに、なぜかそのデートの一日分の記憶がまったくない。これはどういうことだ? 何があったんだ? 交番に駆け込み、遺失物届に、「昨日」と書くハジメちゃん。僕が失くした”昨日”を見つけたいんです~! と、ここからはSFファンタジーへ。
という、不思議で楽しいファンタジーなラブコメ。わたしも見ているうちにこの映画のオリジナルの楽しさを徐々に思い出し始めていた。しかし、ほんとうに思い出したのは世界中がフリーズする場面。そうだ、こんな場面があった! これどうやって撮影したんだろう。エキストラも含めて画面に映っている全員がフリーズしている。もちろん瞬きもできない。大変な撮影であったろうと想像する。この場面だけで100点つけたくなるわ。こういうシーンは他の映画でもあったなあと思うが、思い出せない。
何事も1秒早い主人公と1秒遅いヒロインが、それぞれの視点で同じ出来事を語っていく。これ自体は珍しくもない構成だ。そして最後には二人の思い出が一致して…というハッピーエンドになるかどうか、観客は楽しみながらハラハラしながら見ていくことになる。オリジナル作品の映像美がここでは見られないのが残念だったが、主役2人がとてもいい味を出してくれているので、楽しめる。
氏名の画数が多いから、試験用紙に名前を書いているだけで他の子よりも解答を書く時間が短くなって損している、とかいうくだりでは爆笑。これ、実はうちの子どもたちも画数が多いのでわたしが冗談半分に心配していたことと同じやんか。
ラストシーンがよかったね、岡田将生くんの泣き笑顔。彼はいい役者になった。(レンタルDVD)
2023
日本 Color 119分
監督:山下敦弘
製作:小林敏之ほか
原作:チェン・ユーシュン (映画「1秒先の彼女」)
脚本:宮藤官九郎
オリジナル脚本:チェン・ユーシュン
撮影:鎌苅洋一
音楽:関口シンゴ
出演:岡田将生 ハジメ(皇一)、
清原果耶 レイカ(長宗我部麗華)
福室莉音 桜子
片山友希 皇舞
しみけん ミツル
松本妃代 エミリ
伊勢志摩 小沢
柊木陽太 ハジメ(幼少期)
加藤柚凪 レイカ(幼少期)
笑福亭笑瓶(DJ)/写真屋の店主
羽野晶紀 皇清美
加藤雅也 皇平兵衛
荒川良々 ミクルベ(釈迦牟尼仏憲)
