吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ピーターラビット

機内で見た映画。とっても楽しい実写とアニメの融合映画。イギリスが舞台なのにアメリカ映画だから、やたら派手に暴れまくるし、爆弾まで登場するというアクション映画だとは予想外であった。 ピーターラビットのお話というから、てっきり愛らしいうさぎの物…

神様メール

アイデアが秀逸。こんな映画を作ってキリスト教関係者から抗議が来なかったのかね。神様がブリュッセルのどこかのアパートに住んでいて、人々の運命をパソコンで操っているとか、息子のイエスは父親と喧嘩して家出したとか、神様の妻は夫に虐待されて人間性…

グッバイ・ゴダール!

天才と結婚した若き女性の苦悩という特殊なケースの話ではあるが、実はこれ、家父長の威厳を振り回したがる男と結婚した女一般の悲劇として語ることができるわけで、極めて今日的というか普遍性のある物語と見える。 19歳の時に37歳のゴダールと結婚した妻ア…

さらば愛しき大地

巻頭のタイトルバックに映し出されるのは鹿島コンビナートの夜景。舞台は茨城県の農村で、茨城弁が飛び交い、納豆が元で家族喧嘩になるという、茨城色満載の映画だ。 時代は1980年ごろ、主人公はとある農家の長男幸雄(根津甚八)で、農業は老親と妻に任せて…

スターリンの葬送狂騒曲

これほど面白い政治劇も珍しい。笑えない場面ばかりなのに可笑しくってしょうがない。芸達者なベテラン俳優を揃えて、彼らが真面目に演じれば演じるほど見ているほうは耐えられないぐらい可笑しいって、そんな映画、ありですか。ありです! 間違いなくここ10…

陸軍前橋飛行場 私たちの村も戦場だった

1940年1月から大量の日記をつけ続けていた人物がいた。その名は住谷修。そこには詳細に戦時下の村の様子がつづられ、軍によって強制的に田畑を徴収されたことも記録されていた。戦争の日々を冷静な目で描写するその筆致は時に辛辣で、村民への批判も容赦ない…

バンクシー・ダズ・ニューヨーク

おかしい。既視感がある。どの場面もみな既視感がある。何十分見ても既視感がある。半分ぐらい見たところで思わず過去記事を検索したけれど、見つからない。こんなことってあるのかなー。まあええわ。 バンクシーは謎のストリートアーティスト。彼の顔を見た…

バトル・オブ・ザ・セクシーズ

これは面白かった! 拍手喝采である。 まずはエマ・ストーンがキング夫人にそっくりなので大いに驚いた。彼女は作品ごとにまったく別人に化ける。メイクのおかげなのか、本人の演技力のなせる業なのか、おそらくその両方なのだろう。 わたしが中学生の頃に夢…

レッド・スパロー

これは4月の初めに見たので、詳細はほとんど忘れてしまったのだが、実はとても面白かったのだ。 東西冷戦が終わったはずの米露のスパイ合戦がリアルに見られる興味深い映画。原作者が元CIA工作員だからかだろう、細部がリアルで迫力がある。主人公はジェ…