犯人捜しの謎解きとしてはなかなか面白かったのだが、いくつか腑に落ちないこともあり、まあ関係者が多すぎるからいろいろややこしい展開であった。
福山雅治主演のこのシリーズ、結局全部見ているわたしって…。ひょっとして福山雅治ファンだったんだろうか。じつはいままでその自覚がなかった。しかし考えてみれば彼が主演する映画のかなりを映画館で見ていることに気が付いた。ひえー、隠れファンであったのか! あ、過去の記事を見たら福山雅治が好きってあっちこっちに書いてあったわ。ファンやったんや、やっぱり(大汗)。
さて物語は。天才物理学者の湯川学が、またしても謎の殺人事件を解明するといういつものパターンの第三作。女子学生が行方不明になってから数年後、遺体で発見された。犯人と目された人物はかつて古い事件で完黙を通して無罪放免になった男。これが実に変態ぽくて冷酷無比に見えるいやな奴。今回の事件もものすごく怪しい。どう見ても犯人にしか見えない。で、その男は殺されてしまったのだが、彼に恨みを抱く人間が多すぎて容疑者が特定できない。さてどうなるどうする、湯川先生。
タイトルにパレードとついているように、田舎町の夏祭りが事件の舞台となる。このパレードの場面が圧巻で、ここだけでも見ごたえあり。まるでヨサコイのような派手なパフォーマンスを繰り広げる町の人々。素人が踊っているとは思えませんよ、ほんま。 で、そのパレードのどさくさまぎれに事件が起きているわけなんだけど、湯川先生、最初のうちはやる気なさそうにしていたけれど、だんだん謎解きにのめりこんでいく。もちろん科学者の知恵をフル動員して。
からまりあった謎を順に解いていってはまたもとに戻るという進展で、なかなか真相が見えてこない。だが徐々に殺人方法が明らかになっていき、最後の謎解きが近づいたところあたりで、わたしはもうひと捻りの逆転があるかと期待したのだが、そこまではなかった。
東野圭吾が「オリエント急行殺人事件」をヒントに作ったというこの物語。そう言ってしまうと犯人もみんなネタばらしになるようなもんですが…。
福山雅治くんは相変わらずかっこいい。歳を全然感じさせないクールさ。良きかな善きかな。
2022
日本 Color 130分
監督:西谷弘
製作:大多亮ほか
原作:東野圭吾
脚本:福田靖
撮影:山本英夫
音楽:菅野祐悟
出演:福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、飯尾和樹、戸田菜穂、吉田羊、檀れい、椎名桔平