吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2012-01-01から1年間の記事一覧

ドライヴ

ランアン・ゴズリング主演作連続レビュー第3弾。 以前はノーチェックだったのに、今はお気に入りの男優。今年になってからの3本はいずれも彼が大人の雰囲気を身に付け始めて、かっこよさが際立つ。ハンサムなだけではなく、憂いや悲しみを瞳に漂わせることが…

ラブ・アゲイン

いま注目の若手ナンバー1俳優、ライアン・ゴズリング特集その2。 妻から突然離婚を言い渡されて傷心の中年男が、バーで出会ったイケメンのプレイボーイ青年の手ほどきで変身に成功、次々と新しい恋に挑戦するが…、というコメディ。冴えない中年キャル役が…

スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜

いま、ハリウッド若手俳優ナンバー1の魅力を放つライアン・ゴズリング。連続レビュー第1弾。 アメリカ大統領予備選をめぐる駆け引きの数々。大統領選挙が行われる今年、時宜を得た作品。政治に関心の高いジョージ・クルーニーらしい作品だ。 民主党候補者の…

喝采

落ちぶれた役者を見事カムバックさせるバックステージものシリーズ3連続アップ! の第3弾。 「映画に見る心理学」とかいう本があれば(あったけど)格好の例を提供しそうな映画。共依存、虚言癖、トラウマなどなど、ぜひ心理学者に解説を書いて欲しい映画。…

バンド・ワゴン

落ちぶれた役者を見事カムバックさせるバックステージものシリーズ3連続アップ! の第2弾。午前十時の映画祭にて。 もっとフレッド・アステアのタップダンスが楽しめるのかと期待していたら、ほとんどタップがなかったので残念。その代わり何種類ものダンス…

アーティスト

落ちぶれた役者を見事カムバックさせるバックステージものシリーズ3連続アップ! という企画を思いつきました。全然シリーズじゃないんだけど、要するにこの手のストーリーは掃いて捨てるほどあるということですな。まずは今年のアカデミー賞作品賞受賞作か…

キャピタリズム〜マネーは踊る

2年前にDVDで観た映画の感想を今頃アップ。なにしろアップしておかないと、自分の見た映画のタイトルもストーリーも何もかも忘れてしまうからね。備忘録として書いておかないと、何度でも同じDVDをレンタルする羽目になる(~_~;)。当時のメモを元に感想を再現…

崖っぷちの男

MAN ON A LEDGE は警察用語らしい。飛び降り自殺しようとしている人のことを指すという。この映画で飛び降り自殺しようとしているのは元警官で今脱獄中、というそれこそ崖っぷちの男だ。舞台となったルーズベルトホテルはNYの三ツ星ホテルだって! そんなと…

スノー・ホワイト

2週間ほど前にM山学院大学のゲスト講義を2コマ受け持った後に映画館に立ち寄って観たもの。さすがに2コマ、それぞれ別の授業を全力投球で頑張ると疲れる(毎日講義されている大学の先生は偉いなぁ〜と感嘆)。その上、画面がよく揺れる映画だったので、途…

ラム・ダイアリー

タイトルどおり、ラム酒ばかり飲んだくれている新聞記者たちの物語。画面も常に酔っ払っているのでかなり疲れました。 舞台は1960年ごろのプエルトリコ。米国系新聞社の記者として雇われるためにニューヨークからやってきたフリー記者のポール・ケンプ、しか…

おおかみこどもの雨と雪

さすがは細田守監督。号泣の母物語。個人的には今年のベスト1かも。 シングルマザーへの応援歌であると同時に心情的シングルマザーの鬱屈した感情を発散させるカタルシス映画でもある。 人間の姿をした狼の末裔という青年に恋をした少女の名は「花」。花が生…

ファミリー・ツリー

人生には、何かを決断する「時期」がある。その時機を逸してしまえばもう取り返しがつかない。そんな臍をかむような思いを誰もが抱えて生きていく、それが生きるということなのかもしれない。思い通りにいく人生なんて人生じゃないんだ、きっと。 突然の事故…

フリー・ゾーン FREE ZONE 〜明日が見える場所〜

冒頭とラストに流れる歌が強く印象に残る。復讐と暴力の連鎖を寓話のように歌った歌。お伽噺に隠された大人の残酷な世界を歌うマザーグースのような。 巻頭、ナタリー・ポートマンの横顔が映る。彼女はしゃくりあげて泣き、そのバックに歌が流れる。後ろにあ…

グリーン・ゾーン

というわけで、<大量破壊兵器の嘘>つながりで、「フェア・ゲーム」に続いてこの作品を取り上げます。といっても2年前に観た映画なんだよねぇ、もう忘れてしまったわ。 あらすじは、イラクの大量破壊兵器を捜索に出向いた米兵が、作戦が間違いだったのでは…

フェア・ゲーム

同じ事件を扱った「グリーン・ゾーン」が全然面白くなかったのに比べれば、こちらのほうが随分スリリングで興味深い。 イラク戦争開戦時の口実は「大量破壊兵器の存在」だったが、それが嘘であることがばれたのは世界中が知っていること。この物語は、イラク…