吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

告白、あるいは完璧な弁護

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 スペイン映画のリメイクだそうな。オリジナルがなかなかよかったのだろう、サスペンス風味たっぷりな展開は手に汗握って面白い。ただし、わたしは途中で真相がわかってしまったので、やや興ざめ。あるいは、わざと観客に気づかせるように演出しているのかもしれない。いずれにしても弁護士を演じたキム・ユンジンが上手い。「シュリ」のヒロインだったとは気づかなかったのだ、すっかり中高年の貫禄たっぷり体型になっていた。

 あらすじは……IT企業の社長ユ・ミンホが愛人殺しの疑惑をかけられたのだが、無実を主張している。そして雇われたのは、絶対無罪を獲得するという凄腕の女性ヤン・シネ弁護士。ヤン弁護士は、「真実を話してくれないと弁護できない」とユ社長に迫る。果たしてユ社長はどこまで真実を語っているのか? ヤン弁護士は真相を突き止められるのか?

 という話で、「真実は藪の中」というストーリー展開が面白い。次々と変わる証言、告白。誰が誰をだましているのかわからないスリリングな展開。そのうえ、殺されたセヒを演じたナナが七変化の演技を見せて秀逸。ナナが異様に可愛いから、これは整形疑惑?

 オリジナルのスペイン映画がとてもよくできているのだろうと想像するが、韓国版ではさらにもう一ひねりがあるとか。嘘というのは一度つき始めると次次に嘘を重ねていかねばならないという泥沼にはまる、という教訓話ですな。あーこわ。( レンタルDVD)

2022
CONFESSION
韓国  Color  105分
監督:ユン・ジョンソク
脚本:ユン・ジョンソク
音楽:モグ
出演:ソ・ジソブキム・ユンジン、ナナ、チェ・グァンイル