吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

クロール -凶暴領域-

画像1

 ブレイク・ライブリーが超絶強い女を演じた「ロスト・バケーション」と基本構造が同じ映画。ブレイク・ライヴリーに比べてヒロインがかなり地味なのではあるが、鮫の襲撃とちがって鰐の襲撃というのもなかなかに恐ろしい。

 フロリダ地方にハリケーンがやってきて、避難を呼びかけられているのにそれを無視する住民たちが鰐さんに食われるというお話。やはり、自分勝手な行動は身を亡ぼすという教訓ですな。

  主役が女性ということが今日的であり、さらに彼女が父を助けるために命懸けとなるという設定も今日的かも。かつては父が娘を助けるというのがヒーローものだったからね。あと、ヒロインが水泳選手というのがもちろん物語のキモであり。

 それにしても、ヒロインが洪水の中からなんとか脱出しようとあれこれと知恵を絞っている場面は感動的なんだが、なんでそんなに手近にいろんな救出グッズが浮かんでいるんだ? こういうのはテレビゲームだとたぶんお金を払わないと入手できないアイテムだぞ。

 それはともかく、相変わらず定番の設定は不道徳な人間からまずは餌食になるということ。で、当然にも泥棒さんたちから順次お約束のように鰐に食われていきます。で、あとは可哀そうに、主人公たちを助けに来た人たちも無残に切り刻まれます。なんと、さらに…(以下、ネタバレなので自粛)。というわけで、主人公たちも無傷ではいられない恐るべきバトルが繰り広げられる。

 しかしこれ、ハッピーエンドですか? ほんまに? (Amazonプライムビデオ)

2019
CRAWL
アメリカ Color 87分
監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:マイケル・ラスムッセン、ショーン・ラスムッセン
撮影:マキシム・アレクサンドル
音楽:マックス・アルジ
出演:カヤ・スコデラーリオ、バリー・ペッパー、モーフィッド・クラーク、ロス・アンダーソン