これまた恐ろしい映画を観てしまった。一瞬も画面から目が離せない、ものすごい吸引力を持った映画だけれど、見終わった瞬間に「もう二度と見たくない」と思う。だからこの映画が大ヒットしている理由がわからない。リピーターが多いということなのか?
しかし、「ダークナイト」は絶対の悪を描き、悪を説明しなかったことに恐ろしさがあったのに、この「ジョーカー」では彼がどのようにしてジョーカーになったのかを説明してしまったところがわたしにとっては残念だった。
という感想を「風まかせ映画の会」で話したら、参加者から総攻撃の反論を受けた(笑)。わたし以外の全員(10人弱)が満点だといって褒めたたえた作品だが、わたしは「ダークナイトは100点だがそれと比べると20点ぐらい低い」という評価をした。他の評者たちは「痛い映画だった」「他人事として見ることができない」といった感想を述べていた。
この映画は編集が上手いので、ジョーカーの妄想がそのまま観客にも伝わり、観客もその妄想を本物と思い込んでしまう。過去の出来事も一瞬のうちに挿入されてフラッシュバックしてくる様子も見事に編集されている。
ジョーカー(になる前のアーサー)が恋するアフリカ系女性がたいそう美しい。ザジー・ビーツというのか。今後いろいろと出てきそうな女優さん。
2019
JOKER122分
アメリカ監督:トッド・フィリップス脚本:トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー撮影:ローレンス・シャー音楽:ヒルドゥル・グーナドッティル