吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。

ワンダー 君は太陽

 トリーチャー・コリンズ症候群という遺伝子疾患が原因となる病気の子どもが主人公。顔面が普通の子どもと違うために、オギー少年は27回も手術を受け、学校への通っていなかった。だが母のイザベルはオギーを小学5年生から登校させることを決意する。校長と面談し、友達にも紹介されてオギーは勇気を振り絞って学校へ行き始めた。大好きな宇宙飛行士のヘルメットをかぶって。そのヘルメットをとれば、見た人が驚く奇妙な顔をしているのだから。。。

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 案の定、オギーの学校生活は躓く。陰湿ないじめに遭い、友達に裏切られ、オギーは傷つき泣く。傷つくのはオギーだけではなく、姉のヴィアもまた、弟に両親の愛を奪われたと思ってストレスを裡に溜めていたのだった。家族はそれぞれに愛情豊かな素晴らしい人々なのに、それでも傷つき泣き打ちひしがれていく。それもこれもオギーの病気のせいなのだ。オギーの病気って? オギーの「障害」って? 顔がふつうの人と違うことが「障害」なのか? オギーの顔を素敵だと言ってくれる人はいないのか? いいえ、母のイザベルはオギーの顔を大好きだと心から言う。ずっと接していれば顔は見慣れてくるものだ。ましてやオギーは賢くユーモアのセンスもある素晴らしい少年なのだから。
 思春期の傷つきやすい少年少女の葛藤の物語として非常によくできている作品である。友情を裏切った友人もまた自ら傷つき後悔する。オギーのやさしさ、母のやさしさ、ひたすらな愛情が観客の気持ちを奮い立たせ、前に向かわせる素晴らしい作品。もちろん「作り話」として綺麗にまとめすぎているというきらいがなくもないが、素直に感動できる人には絶対お薦め。

WONDER
113分、アメリカ、2017
監督:スティーヴン・チョボスキー、製作:デヴィッド・ホバーマン,トッド・リーバーマン、原作:R・J・パラシオ『ワンダー』、脚本:スティーヴン・チョボスキー、スティーヴ・コンラッド、ジャック・ソーン、音楽:マーセロ・ザーヴォス
出演:ジェイコブ・トレンブレイオーウェン・ウィルソンジュリア・ロバーツ、イザベラ・ヴィドヴィッチ、ダニエル・ローズ・ラッセル、ナジ・ジーター