2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧
戦争犯罪や戦争責任について考えるには格好の題材となるドキュメント。 若くしてナチスの幹部となったバルビーは、戦後、南米で名前を変えて生き続けた。この映画を見ると、南米の独裁政権がかくも残忍なものであったことの理由がよくわかる。なるほど、ナチ…
久しぶりに知的でハンサムなケヴィンを見た。連続殺人鬼だというのにとても優しそうで、いい男。しかし映画は陰惨な殺人事件のお話。とはいえ、かなり変わっている。なにしろこの殺人鬼は自分が殺人鬼であることに耐えられなくて、なんとかして殺人依存症か…
年末に家族全員で鑑賞。 先住民を虐殺したアメリカ建国のトラウマを癒す物語。世間では3D映像の技術的なことばかりが取りざたされるが、この映画は<国民の歴史><アメリカ人の記憶>を鎮める役目を果たす映画なのだ。トラウマをなぞることによって傷を癒す…
製作から60年以上経ってやっと本邦初公開。 なんと、信じがたいことに、クライマックスシーンを寝過ごして見ていません! 最も感動する場面を見ていないのだから、レビューする資格なし。とはいえ、この映画は、集合的徴(スティグマ)と個人の葛藤を描いた…
人には、忘れていたほうがいい記憶の断片がある。忘れることによってのみ、幸せな人間関係を紡げることもある。しかし、ひとたびその記憶の扉を開いたときに、その扉をどのように閉めるのか、人は逡巡し、嘆き、慟哭する。 この映画を、恐るべき母性愛の物語…
竣工したばかりのWTCビルの間にワイヤーをかけて綱渡りした男がいた。確かに、そんなニュースを見た記憶がある。1974年、ウォーターゲート事件でニクソン大統領が逮捕される前日に、地上441メートルを歩いた男フィリップ・プティはフランス人だった。23歳で…
上記の映画鑑賞の後、何年ぶりかで読み直す。ああ、これほど切ない少年の恋だったとは。 21歳も年上の女ハンナを愛したミヒャエルは、彼女が突然怒り出したりイライラする理由がわからず、戸惑い赦しを乞う。ハンナが不機嫌なときはいつも自分が折れていつも…
原作を読んだときほどの衝撃や感動はなかったが、別の意味でとても深い味わいがあった。この映画は原作未読のほうが感動するだろう。映画を見た直後には、「原作よりテーマが増えてより深くなっているのではないか」という感想を抱いた。テーマは、ナチスの…
去年見た、この手の社会派サスペンスの中では一番面白かったかも。 さて、この映画、ベン・アフレックとラッセル・クロウが同級生という設定に無理がある。実際二人は年の差が8歳ぐらいあるはずだし、見た目だってベンとラッセルではかなり違う。いや、二人…
午前十時の映画祭、第4週目。またまた長男Yと一緒。 さて、「スティング」と同じ組み合わせの映画で、スティングに先立つこと4年。なのにロバート・レッドフォードは「スティング」より老けて見える(ま、そういう年齢設定なので)。いずれにしてもレッドフ…
暗くて重い話だけれど、貧しい者同士が寄り添う感動的な結末には一条の光を感じた。なかなかいい映画だったのに、途中で寝てしまったのは残念至極。 アメリカとカナダの国境をまたがって、先住民モホーク族の保留地が広がる。わたしはここが一種の治外法権地…
「孤高の監督」と呼ばれるブレッソンの出世作、デジタルリマスター版。確かに、そぎ落とされた緊迫の画面作りは素晴らしいが、いかんせん、本編が始まる前に既に疲れて眠くなっていたわたしは、途中何度も眠りの森の魔女に誘われて…。惜しいことをした、こん…
ナチスのプロパガンダ映画を撮ったという咎(とが)で、戦後、映画界を干された天才映画監督レニ・リーフェンシュタールのインタビュー。実に3時間を超えているのだが、女優時代のレニの主演作品や彼女の監督作品をかなり引用しているので、その映画の場面を…
荒唐無稽なホームズ。登場人物の名前と基本設定だけをコナン・ドイル卿から借りてきたけど、後はまるでまったく別物のホームズとワトソンの大冒険。巻頭からいきなりのアクションシーン、後は怒濤のごとくに目まぐるしく展開する山場見せ場の連続に、終いに…
全国のTOHOシネマズで開催中の「午前10時の映画祭、何度みてもすごい50本」、これは映画ファンにはたまらない企画。一年をかけて過去の名作を50本上映しようというプロジェクトで、しかもデジタルリマスターを試みるというのだからすごいのうえにすごい。若…