吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

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 ティム・バートンのカラー爆裂! やっぱりティム・バートンです。このおどろおどろしさ。不気味さ。異形の者たちへの愛。すべてがたいへんよろしい。
 舞台が第二次世界大戦中のイギリスというのもクラシックな感じがしてよいし、ドイツ軍の空襲を逃れるために同じ一日を繰り返す子どもたち、という設定は手塚治虫の「火の鳥」の比丘尼を思い出せる。仏教の因果応報ものみたいだね。永遠に同じ時間を繰り返すというのは拷問のような毎日に思える。わたしは「このまま時間が止まればいいのに」とかつて願ったことがあったが、それは拷問かもしれない。時は流れ、一瞬たりとも同じ瞬間が存在しないこと、それこそが人を人たらしめる根源ではなかろうか。時間の概念を所有するのは人間だけなのだから。したがって、この物語のキモは、永遠の時間の循環に閉じ込められた子どもたちがいつそのくびきから解放されるのか、というところにある。
 物語は後半、人間からモンスターに変化してしまった悪人たちを成敗するために、子どもたちがそれぞれの超能力を発揮する。そのアクションシーンがまた楽しい。しかし、残念ながら映画はその楽しさと引き換えに豊かな問いかけを失い、ユーモラスなお化け屋敷譚へと落ちてしまう。それでも最後まで十分楽しめるけれどね。 (Blu-ray

MISS PEREGRINE'S HOME FOR PECULIAR CHILDREN
127分、アメリカ、2016
監督:ティム・バートン、原作:ランサム・リグズ『ハヤブサが守る家』、脚本:ジェーン・ゴールドマン、撮影:ブリュノ・デルボネル、音楽:マイク・ハイアム、マシュー・マージェソン
出演:エヴァ・グリーンエイサ・バターフィールド、クリス・オダウド、アリソン・ジャネイ、ルパート・エヴェレットテレンス・スタンプサミュエル・L・ジャクソン