吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

クレイジー・ハート

試写会にて。またしても招待状を当ててくれたパープルローズさんと一緒に。毎度ありがとうございますm(_ _)m 試写会の前に夕食。お腹が一杯になった時点で悪い予感がしていたけれど、やっぱり! 映画は巻頭、カントリーミュージックが流れる。ここで爆睡。ほ…

マンデラの名もなき看守

「インビクタス」よりも感動的かもしれない。 ネルソン・マンデラの品格溢れる伝記映画であると同時に、彼に魅せられた白人看守の苦悩と解放への心の旅路を描いた感動作でもある。あまりにもかっちりと生真面目に作り込まれたところが好感を持てると同時に面…

インビクタス/負けざる者たち

今年1月、試写会にて。正月から連続してパープルローズさんが試写会の招待券を引き当ててくださったので、今年はたくさん試写を見られてありがたいです。 さてこれは素直に感動できる佳作。スポ根に政治を絡めた作品だけれど、ヒトラーがナチズムの宣伝にオ…

パリより愛をこめて

「96時間」の大ヒットに気をよくしたリュック・ベッソンが、またしてもパリを舞台にダイハードに暴れまくるヤンキーおじさんの映画を作りましたとさ。基本路線は「96時間」と同じだが、リーアム・ニーソンではどうしても生真面目なお父様になってしまったの…

96時間

ダイハード親父のノンストップアクション。何にも頭を使いません。とにかくひたすら肉弾戦、めったやたらと人を殺し、やりたい放題。極悪犯罪人もひどいけれど、誘拐された娘を救おうとする父親のほうもたいがいひどい脱法行為の数々。こんなことでいいので…

オーケストラ!

およそ真実味など皆無のコメディなのだが、最後は思い切り泣かされてしまった。 本作は封切り以来連日超満員とのことで、落ち着くのを3週間も待っていたのだが、それでもわたしの見た回はやはり満席になった。いつもの常連さんたちとは違う客層が詰めかけて…

17歳の肖像

美しく聡明な少女と年上の恋人の物語。これがフランス映画だと「愛人/ラマン」になり、イギリス映画だとこれになるのか、なるほど。イギリスのほうが好きだわ。ストーリーじたいに新味はない。この映画の魅力はなんといってもキャリー・マリガンという新し…

ジュリー&ジュリア

ラブコメの女王の素質あり、エイミー・アダムス。 DVDが出たようなのだが、この映画は昨年末封切られたもので、もうDVDになるとは、映画のライフサイクルも短いもんです。わたしが見たのは正月のレディースデーだったので、ほぼ満席。劇場が小さいせいもあっ…

サマーウォーズ

2009年マイベスト10映画の第11位。 このアニメはわたしの涙をちょちょぎれさせた「時をかける少女」(http://d.hatena.ne.jp/ginyu/20071216/p1)の細田守監督作。この人の作る若人の初心な青さは大変よろしい。そして、巻頭、この七色の仮想世界を見ている…

縞模様のパジャマの少年

あんなにひどい結末を考えるなんて、原作者は非道だわ! エイサくんの青い瞳が印象的で、青いベストとぴったり合っていて美しかった。あんな可愛い子役があんなひどいことになるなんて… この映画を見て「ざまあ見ろ」とか「天罰だ」と溜飲を下げるようなユダ…

明日、君がいない

これは見事。とても19才の監督が作ったとは思えない完成度の高さ。「エレファント」(http://d.hatena.ne.jp/ginyu/20080803/p1)の真似と言われているが、「エレファント」よりもずっとわたしの心に訴えるものがある。実は、「エレファント」のように校内で銃…

マイレージ、マイライフ

ジェイソン・ライトマン監督つながりで、「ジュノ」に続いて本作を。 演出も脚本もよし。ジョージ・クルーニーは久しぶりにいい男。 して、そのジョージ・クルーニーが演じるのは、リストラ宣告男ライアン・ビンガム。リストラを言い出せない気弱な上司に代…

JUNO/ジュノ

映画を見る前にあらすじのイントロダクションを読んでいると、70年代に名作と謳われた「フレンズ」を突然思い出した。主演女優のアニセー・アルヴィナは当時日本でものすごい人気があったはず。調べてみたらなんと、2004年に癌で亡くなっていた。わたしより4…

レボリューション6

軽快爽快、「あれから11年後のアナーキストたち」。 1987年、まだドイツが東西に分かれていた頃、アナーキストの若者たちは帝国主義と闘うため爆弾をしかけたが、不発のまま15年が過ぎた。かつての活動家達も今はそれぞれの道を歩んでいる。だが、突然その不…

さまよう刃

昨秋、映画館で鑑賞。内容が重く、考えさせられる映画だが、リアリズムに徹しているはずの物語が映画的演出を優先するあまりに細部の整合性がない、というのは残念。特に最後になるにしたがってどんどん「お話」っぽくなってしまう。なんでこういう演出にす…

バンク・ジョブ

超絶おもしろい。2009年マイ・ベスト10第4位。名作の誉れ高い「チェンジリング」よりも私的には面白かったという娯楽作。 1971年に実際に起きた金庫破りを元に作られたお話。かなり大胆なアレンジがあるとはいえ、王室のスキャンダルがらみの事件だっという…