吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2030年ごろかも。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

『現代思想のパフォーマンス 』

 フーコーつながりで(いや、その前にアガンベンつながりで)結局もう一度現代思想ソシュールからおさらいしないと理解できないということに気づいて、こういう本を読んでみた。

 かなり前に内田樹さんの『寝ながら学べる構造主義』を笑いながら読んだけど、あれはあまりにも簡略すぎてお役立ちではないので、寝ながら~を再読するのはやめてこちらを読んだ。



 いやあ、やっぱり内田さんはおもしろいわ。この人、難しいことをよくこれだけ咀嚼して書けるものだ。

 取り上げられている思想はソシュール、バルト、レヴィ=ストロースラカンフーコー、サイード。その中で内田さんは映画「エイリアン」を使ってバルトを説明する。これ、確か『映画の構造分析』では「エイリアン」を使ってラカンを説明していたはずだけど。同じネタでいろいろ使えて二度三度四度五度とおいしい。同じ映画を使ってよくこれだけいろいろ書けるものだと感心してしまう。

 これを読んで息子が「エイリアン」のDVDをリクエストしていたことを思い出して、借りてきた。早速1と2をむさぼり見ていたけど、わたしは時間がなくて見られなかった。

 あ、映画の話はともかく、なんでフッサールとかの現象学系が抜けているんだろうとちと不満かな。でも、構造主義者に偏った解説のなかにサイードがはいっているというのは珍しいと思う。

 高校生や大学生向けにはぴったりです。とても読みやすくておもしろい。フーコーに関しては、これはこれでおもしろかったんだけど、今わたしが読んでいる『性の歴史』の読解の助けにはならなかったなー。惜しい。

<書誌情報>

 現代思想のパフォーマンス / 難波江和英, 内田樹著.
    光文社, 2004 (光文社新書)