吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

トップガン マーヴェリック

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 巻頭のシーンのカメラアングルといい、劇伴音楽といい、すべてが前作を踏襲している。この時点でトム・スコット監督への最大限の敬意が感じられる映画だ。もちろん最後にトム・スコットへの献辞が現れる。

 冒頭にトム・クルーズが現れ、彼がマッハ10の壁を超える実験飛行を行っている中高年パイロットとして登場し、そこに上司としてエド・ハリスが登場するなんて、憎いじゃないの、そのまんま「ライトスタッフ」へのリスペクトであります。

 で、場面は変わってトム・クルーズはかつて自分が属していた「トップガン」こと、エリート中のエリートを育成する空軍パイロット教室の教官に異動する。前作もほとんど上滑りのストーリーしかなかったように、今作もさして目新しさはない。それどころか、「敵国」が存在しなければこの手の映画は作れないので、無理にでも「ならず者国家」を捏造するという有り様。まあ、政治的には全然正しくないし、どうみても好戦的な映画だからそこは評価できないが、しかし見世物としてはとても面白くてよくできている。

 前作ではトム・クルーズが若かったから恋愛が前面に押し出されていたが、さすがに今回は熟年の恋愛なのでしっとりと落ち着いている。相手のジェニファー・コネリーが五十代になっているのにとても美しいのに驚いた。

 今作は完全に続編なので、前作をおさらいしておくことをお勧めする。最後までワクワクして楽しめた、これぞ娯楽作。

2022
TOP GUN: MAVERICK
アメリカ  Color  131分
監督:ジョセフ・コシンスキー
製作:ジェリー・ブラッカイマートム・クルーズほか
脚本:アーレン・クルーガーエリック・ウォーレン・シンガークリストファー・マッカリー
撮影:クラウディオ・ミランダ
音楽:ハロルド・フォルターメイヤー、ハンス・ジマー、ローン・バルフェ
出演:トム・クルーズマイルズ・テラージェニファー・コネリージョン・ハム、グレン・パウエル、エド・ハリスヴァル・キルマー