ニクソン大統領って映画にしやすい題材なのだろうか。これまでも何本も映画やテレビドラマが作られている。で、今回のこの映画、劇場未公開? そうでしょそうでしょ。
ロックの帝王エルヴィス・プレスリーが1970年にニクソン大統領に面会を求めて直接ホワイトハウスにやって来て、門番に大統領への手紙を手渡した。ホワイトハウス内は大騒ぎとなり、大統領補佐官などの側近がニクソンに「キングがやってきた」と興奮して語ったところ、「どこのキングだ? 謁見の予定はないぞ」と返された。そうよそうよ、大統領よりキングのほうが高位なのだ。偉いのはニクソンよりもエルヴィスである。
当初面会を渋っていたニクソンだが、結果的に面会は実現したというだけの映画。主役がまったくエルヴィスに似ていないのはわざとやってるのか? エルヴィス本人に対する冒涜とちゃうのん。いちおう似せているつもか?
ニクソンのほうはさすがにケビン・スペイシーが絶妙の演技を見せているのが面白い。ニクソンもエルヴィスも単なるおバカにしか見えないところがこのコメディの人を喰ったところだ。大真面目に二人とも自分の願望や欲望や野望や正義や道徳心を語っているのだが、ことごとくジョークにしか見えない。
あ、そうだ。そもそもエルヴィスはなんのためにニクソンに会いに行ったんだったけ。麻薬撲滅のための秘密捜査官に任命してほしかったんだな、そしてバッジが欲しかったわけ。潜入捜査官になりかったというエルヴィス、あんたはお子ちゃまか。忍者ごっこしてるいい歳をした男子って感じですね。笑うしかない。
笑える場面なんかほんとんどないのにそこはかとなく可笑しい映画なので、エルヴィスファンにはお薦め。エルヴィスの友人役のアレックス・ペティファーが美形なので彼の顔を見ているだけで幸せだったわたし。。。。はう(Amazonプライムビデオ)
2016
ELVIS & NIXON
アメリカ