吟遊旅人のシネマな日々

歌って踊れる図書館司書、エル・ライブラリー(大阪産業労働資料館)の館長・谷合佳代子の個人ブログ。映画評はネタばれも含むのでご注意。映画のデータはallcinema から引用しました。写真は映画.comからリンク取得。感謝。㏋に掲載していた800本の映画評が現在閲覧できなくなっているので、少しずつこちらに転載中ですが全部終わるのは2025年ごろかも。旧ブログの500本弱も統合中ですがいつ終わるか見当つかず。本ブログの文章はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC-BY-SA で公開します。

ターミネーター:新起動/ジェニシス 

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 シリーズは全部見ているわたしのようなファンにとっては、今までのシリーズからどれだけネタを集めてくるのか、というのを見るのが楽しみ。お約束ネタはマストでしょう!

 というわけで、シュワちゃんが全裸で未来から降臨する場面はもちろん若手の役目に代わっております。そのかわり、シュワちゃんの若かりし姿が! CG恐るべし。「コナン・ザ・グレート」時代のシュワちゃん登場。現在の白髪になったシュワおじさんとの対比も鮮やかで、ほとんど感涙にむせぶレベル。シュワちゃんが演じるターミネーターT-800は機械のはずなのに、なぜか歳をとっているというのが面白い。 

 サラ・コナーがマッチョなリンダ・ハミルトンおばさんから愛らしいエミリア・クラークに代わったのは大いなるイメチェンであるが、イ・ビョンホンのT-1000はオリジナルの雰囲気をそのまま生かしていてとってもよろしい。 

 今回もまた、「過去を書き換えるために未来からエージェントが差し向けられる」という基本設定は同じ。しかしこのシリーズでは機械軍への反乱を組織している偉大なる指導者ジョン・コナーを1984年に孕むことになっているサラ・コナーが実はすでにおじさんターミネーターシュワちゃんに少女のころから兵士に育て上げられている、っていう設定。これがそもそもこれまでのターミネーターと全然違うので、そんなんであとあとストーリー展開に困らないのか心配になる。

 タイムパラドクスはこのシリーズにはついて回る宿命だが、どうやって処理するのこれ、と思っていたら案の定、お話のつじつまが合わなさすぎる。アイデアが尽きたか? で、尽きたアイデアを無理してひねり出したらそういうことになるんですか?! まあ確かにジョン・コナーの顔がいやらしいからね、こいつは怪しいと思うわな。もう絞りかすしかでないアイデアで禁じ手はやってはいかんでしょう、これ。 

 プロットへの不満もさりながら、アクションが単調で飽きてしまう。やっぱり1と2がよかった。といいながらシリーズ最新作が出たら見てしまうんだなー、これが(苦笑)。

TERMINATOR: GENISYS

125分、アメリカ、監督: アラン・テイラー、製作: デヴィッド・エリソン、デイナ・ゴールドバーグ、脚本: レータ・カログリディス、パトリック・ルシエ、音楽: ローン・バルフェ

出演: アーノルド・シュワルツェネッガージェイソン・クラークエミリア・クラークジェイ・コートニーイ・ビョンホン、J・K・シモンズ